カテゴリ:瀬戸内国際芸術祭2010
  • ヘッドマーク界のフランク・ステラとサンライズ瀬戸(瀬戸内国際芸術祭2010 その9)
    [ 2011-01-07 10:35 ]
  • 小豆島 (瀬戸内国際芸術祭2010 その8)
    [ 2011-01-07 10:30 ]
  • 豊島   (瀬戸内国際芸術祭2010 その7)
    [ 2011-01-07 10:15 ]
  • 犬島   (瀬戸内国際芸術祭2010 その6)
    [ 2011-01-05 13:09 ]
  • 直島  (瀬戸内国際芸術祭2010 その5)
    [ 2010-12-29 11:27 ]
  • 男木島   (瀬戸内国際芸術祭2010 その4)
    [ 2010-12-29 11:06 ]
  • 女木島  (瀬戸内国際芸術祭2010 その3)
    [ 2010-12-24 15:00 ]
  • かつらとうどん (瀬戸内国際芸術祭2010 その2)
    [ 2010-12-15 11:53 ]
  • 瀬戸内へ  (瀬戸内国際芸術祭2010 その1)
    [ 2010-12-14 05:40 ]


ヘッドマーク界のフランク・ステラとサンライズ瀬戸(瀬戸内国際芸術祭2010 その9)
瀬戸内国際芸術祭への旅。この日は犬島、豊島そして小豆島をめぐり、高松から夜行列車サンライズ瀬戸で帰京しました。



フェリーで小豆島から高松に到着後、スーツケースをホテルでピックアップし、JR高松駅へ。

駅では瀬戸内国際芸術祭のヘッドマークがついたマリンライナーを見つけました。支持体が珍しい形状です。このデザイナーさんを、シェイプド・ヘッドマークの開拓者としてヘッドマーク界のフランク・ステラとでも呼びたいところ。





そして、いよいよサンライズ瀬戸へ乗車。





この特急に乗るのは4回目になりますが、「上り」に乗るのは初めて。瀬戸大橋に差し掛かるのを待ってビールを開け、この素晴らしい旅を回顧しながらいただきました。

翌朝は東京駅まで戻らず、そのまま出勤するため横浜駅で下車。いきなり通勤ラッシュの都会に投げ出された感じで、瀬戸内の余韻は一気に吹き飛ぶ。残されたのは、うどんの食べすぎでポチャポチャしてしまったお腹をどうするかという課題。

by paginademaiko | 2011-01-07 10:35 | 瀬戸内国際芸術祭2010


小豆島 (瀬戸内国際芸術祭2010 その8)
瀬戸内国際芸術祭の旅も終わりに近づきつつありました。

豊島からのフェリーで小豆島に到着したのは午後5時近く。



せっかくなので、ひとつでもよいので作品を見てみたいところですが、港の近くに作品はなく、ちょうどいいバスもなく、戸惑います。とりあえずいちばん近そうな作品まで歩いて行くことにしました。野外の作品なので、迫り来る日没の時刻とのたたかいでもあります。

他の島に比べて小豆島はとりわけ大きく、車がゆきかう市街地を歩いていると「島」にいるということを感じさせません。

そして、港から歩くこと約40分…。スゥ・ドーホーの作品「Net-Work」にたどり着きました。



網によるトンネル状の作品です。よく見ると、網はダイノジになった人がたがつなぎ合わされたものでした。人々とのつながりによって形成されるのが「社会」ですが、しかしここで表現されている人々はあまりにも無個性であるようにも見えます。



この作品を見ているうちに、あっという間に夜はやってきました。
再び徒歩で港に向かいます。

その途中では、地域のお祭に遭遇しました。



フェリーターミナルには乗船時刻の1時間ほど前に付きました。ここで、ターミナル前に立地するホテルに温泉があることを知り、この日の夜は夜行列車で帰京することになっていたことから、ここでお風呂に入っていくことにしました。夜間なので宿泊客以外はお断りかな…と案じながらフロントに聞いてみると、入浴可とのこと。しかも宿泊客はちょうど夕飯時だったようで、大浴場を独り占めしてしまいました。この日は早朝から、ずいぶんがんばって行動しましたが、大きなお風呂で疲れも一気に解消。

小豆島と高松を結ぶフェリーはとても大きく、船内にはゆったりとしたラウンジも。船内ではうどんの販売もあり…無論、しかと食べさせていただきました。

by paginademaiko | 2011-01-07 10:30 | 瀬戸内国際芸術祭2010


豊島   (瀬戸内国際芸術祭2010 その7)
瀬戸内国際芸術祭、5番目に訪れた島は「豊島(てしま)」。

犬島からの船でこの島に到着したのは午後2時頃。港からは島内を巡回するバスを利用。ただし、限られた時間の中ということで、いくつかの作品を選びながら。

港近くに設置されているトビアス・レーベルガーと木下晋の作品は、バスの出発時間が迫っていたため見ることが出来ず。

バスはほぼ満員の状態で港を出発しましたが、まもなく横尾忠則の作品近くのバス停で多くの乗客が下車。他の作品との距離がかなり離れたところにあり、効率的にまわるためこちらも断念。

私が下車をしたのは甲生(こう)地区、塩田千春「遠い記憶」の近くです。この作品はかつて公民館として使用されていた建物を使った、風通しのよさそうなインスタレーション。塩田さんの作品は「密」とした感じのものが多いので、風がふきぬけるこの作品はこれまでの作品とは随分異なる印象でした。




続いて、海辺に設置されたキャメロン・ロビンスの「潜在意識下の海の唄」へ。



タイトルはちょっとイマイチな感じですが、実際に作品を見てみるとかなり気に入りました。



この作品は、船とパイプから構成されており、潮の動きによってそれ自体が楽器として機能するというもの。楽器とそうでないものの間を、あるいはアートとそうでないものの間を揺らいでいるような作品。なんとなくジョン・ケージの音楽を思い出しました。Organという言葉の多義性を体現しているような作品でもあります。



徒歩で次の作品に移動する間、興味深いものを発見。繁みのなかからニワトリの声と匂いが…使い古しの車がそのまま鳥小屋になっていました。






クレア・ヒーリー&ショーン・コーディロ「残り物には福がある」と、スー・ペドレー「ハーモニカ」は家屋を利用したインスタレーション。家財道具と赤系のヒモ状のものを組み合わせている点で若干テイストが似ている感じもしましたが、造形的にはそれぞれ悪くないと思います。









その後さらに巡回バスにのって唐櫃岡(からとおか)地区へ。こちらではまずジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの「ストーム・ハウス」を目指しました。

そこまでの道のりでは「これ、作品かな?」と思うものを発見。「豊島「食プロジェクト」推進協議会事務所」という施設の前の桜(?)の枝に、大きなカボチャが挟まっていました。



それから「唐櫃公堂」という建物。コンクリート色のノッペリとした壁面、プール色の扉…ちょっとしたモダニズム文化財です。



越後妻有の「大地の芸術祭」でも体験した「ストーム・ルーム」ですが、豊島バージョンは和風の民家を利用していました。このスタイルの作品を体験するのが2度目ということもあるかもしれませんが、私としては、医院を改築した「大地の芸術祭」のほうがインパクトが大きかったです。



続いて、安部良「島キッチン」、藤浩志「藤島八十郎をつくる」を経て、青木野枝「空の粒子/唐櫃」へ。神社の石段のふもとに、鉄の彫刻。その作品は、思ったほど自己主張が強くない。



草むらのなかの1本道を歩いて、戸高千世子「Teshima sense」へ。戸高さんは、2006年の「大地の芸術祭」でその作品を見てから、ずっと気になっていた作家さん。今回もやはり池をつかったインスタレーションを展開していました。翼、あるいは花びらにもみえるパーツがついたオブジェが池に浮かび、それが風によって、ふうわり、くるり、と揺れたり回転したりする仕組みになっています。



池の水面の向こうには海が見えます。「水の中に浮かぶ島の中の水=入れ子状の水みたいだな」と思いつつ、そこから勤務先で開催された内藤礼の展覧会のタイトル“すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している”を連想していると、そこに素晴らしいタイミングで登場したのが…西沢立衛設計による内藤礼の美術館である「豊島美術館」。




ただし、この美術館は私が訪問した時にはまだオープン前ということで、内部に入ることは出来ませんでした。でも、いつかは行ってみたい美術館です。


この島では、他にも見たい作品がたくさんあったのですが、ここまで来たらやはり小豆島にも渡りたい…そう思いまして、唐櫃港よりフェリーで小豆島へ渡ることにしました。

乗船前に、港近くのたこ焼きやさんでたこ焼きをテイクアウト。店の前には潜水服…まさか、タコ漁のためのもの?



潮風を受けて、フェリーのデッキで食べるたこ焼きは、ほっぺたが落ちそうな美味しさでした。

by paginademaiko | 2011-01-07 10:15 | 瀬戸内国際芸術祭2010


犬島   (瀬戸内国際芸術祭2010 その6)
瀬戸内国際芸術祭、訪問2日目。
この日の予定は高松から豊島経由で犬島に渡り、その後豊島をめぐるという行程。

朝6時に宿を出発…まずは早朝からやっているうどん屋さん「味庄」で1杯のうどん。さぬきうどんならではのセルフ・サービスの店。カウンターの向こうではおじさんが黙々とうどんをゆでる。お客さんの多くは旅人のようでした。

6時45分頃、フェリーターミナルに到着。整理券を入手し、フェリー乗り場に向かいます。

しかし、桟橋に停泊していたのは「どうみてもこの行列の人々が乗りきれない大きさ」の船。大丈夫か…?と思っていたところに、そこに2つめの船が登場。私はそちらに乗り込むことに。飛行機のエコノミークラスよりもさらに狭い座席にギュウギュウと詰め込まれ、約30分の航海。



豊島に到着後、ここから犬島行きの船に乗るため、また整理券のために行列。先頭からかぞえて15人目くらいだったので、安心して並んでおりますと…しかし、なんとここで「積み残し」の対象となってしまいました。

というのは、私が乗る船は直島からこの豊島を経由して犬島にいく船だったのですが、その乗客がほとんど豊島で降りず、豊島でこの船を待っていた人々が乗り込めなかった為。

船は1日3便。次の船を待つべきかどうか迷っていると、臨時便が出るとの一報。その船に乗って、11時頃に犬島に到着しました。



島に到着すると、まずはチケットセンターに行くように案内されます。この島にある作品を見るには、最初にここでチケットを入手しなければならないとのこと。朝高松を出てから、たびたびの行列を経てたどりついたこの島で、チケットセンターにまた行列。のんびり気ままな島巡りとは程遠い、動きがコントロールされているような感覚を覚え、ちょっと複雑な気持ちになりました。

この日は神楽の日とのこと、どこからか太鼓の音が聞こえてきて、その後獅子舞が登場。



チケットを入手後、おなかが減っていたので民家をリノベーションしたカフェでビールとカレー。そしてそこに同席した写真サークルのおじさんたちに声をかけられ、なぜか撮影会になる。

(↓ こんな感じで、おじさんたちに取り囲まれている…恥ずかしい)




島歩きをするにはこの日も良い気候。島ならではの穏やかな町並みを歩いていくと、「家プロジェクト」の関連作品が次々と登場。このプロジェクトは、建築家の妹島和世氏とキュレーターの長谷川祐子氏による地域再生プロジェクトとされていますが…。作品としては、あまり印象に残るものはありませんでした。そして、どれも、島の生活と馴染んでいない気がしました。でも、20年後に見ることができたら、少し違う見え方ができるのかもしれません。















島ではあちこちでヴィヴィッドな花を目にしました。






ところで、この島の最も大きな見どころとされているのが「精錬所」。これはかつての銅の精錬所を整備しアートスポットとしたものです。こちらの内部では柳幸典と三分一博志による作品を見る(体験する)ことが出来ました。



こちらを訪れてみての感想は「来訪者をコントロールしすぎている」ということ。まずは建物の内部に入る前にガイドから、歴史や内部の構造、観覧上の諸注意などがあり、建物の中に入ると、入れ替わり登場するスタッフに引率されながら順路を進むようになっています。作品自体は素晴らしいものであるとは思いますが、これでは作品との対話や思索をめぐらせるタイミングを得るのが難しいのではないかと、正直思いました。過剰なアテンドは、ディズニーランドのガイドつきアトラクションに参加したようなような印象を与え、作品もなんだかつくりものに見えてきてしまう。「不快」とまではいいませんが、なんとなく納得がいかない気持ちが残りました。



それはさておいて、この島も、本当に美しいところでした。
瀬戸内海には、たくさんの島がありますが、いずれもそれぞれの美しさを持っている。まるで宝石箱のようだと思いました。

その後、船で豊島に移動。
by paginademaiko | 2011-01-05 13:09 | 瀬戸内国際芸術祭2010


直島  (瀬戸内国際芸術祭2010 その5)
直島を訪れるのは、2004年に続いて2回目。

男木島からの高速船で宮浦港に到着したのは午後2時過ぎ。最初に向かったのは大竹伸朗/grafの「直島銭湯」。


住宅街の中にあって、実際には、引いて見るのが難しいことがわかりました…。



そしてその後向かったのは、前回訪問時に訪れた「山本うどん店」。男木島で食べたうどんの不味さ(しかも1時間も待たされたし)が後味悪く残っており、それを払拭したい一心で。



ああ、生き返った…。

バスに乗るためいちど草間彌生の赤いカボチャが鎮座するフェリーターミナルに戻ります。ここにはどこかで見覚えのある椅子もありました…金沢21世紀美術館の庭にあるものですね。





ここからは、バスに乗って島の反対側へ。家プロジェクトのうち、大竹伸朗の「はいしゃ/舌上夢/ボッコン硯」、須田悦弘「碁会所/碁会所」を訪ね、その先の突き当たりの海に浮かぶ川俣正による浮島「向島プロジェクト「島から島をつくる」を見ました。これは割りと存在感の希薄な作品で、川俣の作品のスタイルを知っていればすぐに発見できるけれど、そうでないと認識しづらいというちょっと意地悪な作品。




直島にはこのほかにも見るべき作品がありましたが、船の混雑状況を鑑み、念のため最終便の一本前の船が高松に戻ることにしました。

乗船前にターミナルで冷たいデザートを買って、フェリーのデッキにて瀬戸内海の夕暮れを眺めながら食べました。その甘くさわやかな桃のフレーバーは、嬉しくなるくらいの美味しさでした。





アート、美しい海、町並み、船、うどん…。五感を刺激され続けた1日の最後にふと感じた心地よい疲れ。瀬戸内国際芸術祭の1日目の終わり、「やっぱり、来てよかった…」と思いました。


by paginademaiko | 2010-12-29 11:27 | 瀬戸内国際芸術祭2010


男木島   (瀬戸内国際芸術祭2010 その4)
女木島から男木島までは、フェリーで20分ほど。あっという間に到着しました。
人が住んでいるエリアは山の斜面に密集していました。



船着場にはジャウメ・プレンサによる「男木島の魂」。ターミナルの建物として機能していますが、ガラス張りの建物の中を見ると、トイレに並ぶ人々の長蛇の列。うわ…。



お昼時が近かったので、港近くにある民家を使ったうどん屋さんに入りました。素人っぽいおじさんたちが切り盛りしている、かなり飾り気のないお店。船の到着とともに一気にお客さんが入ったためか、やや混乱した状況。私のオーダーは放置され、結局一杯の「ぶっかけうどん」が出てくるまでに1時間かかりました(泣)しかもそれが悲惨なくらいに美味しくなくて…。

ランチタイムが不具合だったために、ちょっと気分を曇らせながら島歩きを開始。



眞壁陸二「男木島 路地壁画プロジェクト」は島のいたるところで目にしました。青い空とよく合っていたけれど、曇りの日でもいい色かもしれません。






谷川恭子「雨の路地」は吊り下げられたバケツやヤカンから水がぼたぼたと落ちる作品。視覚的には面白い作品だったのですが、私には「島=水の確保に苦労する」というイメージがあり、使用している水をリサイクルしている様子がはっきりとはわからなかったせいか、なんとなく配慮不足な印象が残念。




この島にはこじゃれたカフェもありました。その奥には川島猛とドリームフレンズによる「想い出玉が集まる家」。「想い出玉」とは男木島の各家庭にある「捨てられない紙」を使って作られた球状のオブジェ。手紙なども使われているとか。







そういえば京都・山科の随心院には小野小町がもらったラブレターを下張りにしたお地蔵さんがあったっけ…。

中西中井「海と空と石垣の街」。路地の石垣にたくさんの小さい家がくっついています。半透明のリボンが風にそよいでいました。




松本秋則「音の風景(瀬戸内編)」、小さな小屋のなかに羽が吊り下げられ、小さなモーターによってフルフルゆれるサウンド・オブジェ。作品はこのほかにもありましたが、観覧のためには列に並ぶ必要があり、観覧せず。




やや高台の場所には、家の内部を使った作品が続きます。

高橋治希「SEA VINE」も、見たかったのですが待ち時間が必要なため今回はあきらめました。

北山善夫「誕生-性-生-死-家-男木島伝説」。絵画作品によるインスタレーションですが、なかには人間の暗い面を描写したものも多く、R18な感じ。作品は数か所にありましたが、入り口のキャプションでこの作家の名前をみるだけで見るのを止めてしまう人の姿もありました。

島こころ椅子プロジェクト グループ5による「島こころ椅子」、どこからか集められた様々な椅子が並びます。こういう場所は散策系のアートイベントでとてもありがたい。




その後、漆の家プロジェクト「漆の家」、オンバ・ファクトリー「オンバ・ファクトリー」、そして西堀隆史「うちわの骨の家」を訪ねました。

また、島のいたるところでは谷口智子「オルガン」を目にしました。これは、島の各地に埋め込まれたパイプが、時に望遠鏡や潜望鏡であったり、あるいは楽器であったりするというもの。これ、学校のなかにあったら面白そう!



この島では全体的に来訪者が過剰な印象。細い坂道が網目のようになっていますが、場合によっては人が詰まってしまっているところもありました。作品に関しては、見るために30分以上待つものがいくつもありました。休日は2時間以上待つものもあったみたいで…もはや、ディズニーランドみたいな感じですね。

そんな感じで、ちょっとわさわさした雰囲気になってしまっていましたが、しかし、この島の町並みの美しさは、会場となった7つの島の中でもかなり特筆すべきものでした。観光客の居ない季節に、ひっそりとお忍び(?)で訪れてみたい。


13:55。高速船にのって直島へ向かいます。



by paginademaiko | 2010-12-29 11:06 | 瀬戸内国際芸術祭2010


女木島  (瀬戸内国際芸術祭2010 その3)
瀬戸内国際芸術祭、最初に訪れた島は「女木島」。昔話「桃太郎」の「鬼が島」のモデルとされている島です。

高松とこの島の間には鈴木康広「ファスナーの船」 が運航中。これはファスナーの形をした船が海を切り開くように進んでいくというもので、ぜひ乗ってみたかったのですが、この日はあいにく運行されておらず、乗ることが出来ませんでした。

高松港から、赤い船体のフェリー「めおん2」に乗船。



船の中はかなり混雑しています。島に近づくにつれて、次の内容がアナウンスで伝えられます。「混雑のため乗客の積み残しの可能性がありますから、余裕をもって行動してください。積み残しが生じた場合には責任は負いません」。なんども繰り返されるアナウンス…おそらくその前日までの3連休の間に(相当な人出だったと聞いていたので)「積み残し」が多発していたのだろうと推察。


島には20分ほどで到着。車両甲板を見下ろすと、バイクのカゴにガイドブックを入れたおじさんの姿。なんか「普段着のアート探訪」という感じがしてすごくいいものを見た気持ちになりました。






下船をすると、そこで来訪者を迎えてくれるのが、木村崇人「カモメの駐車場」 。薄い板で作られたフェイクのカモメが防波堤に並んでいます。




続いて禿鷹墳上「20世紀的回想」。グランドピアノの上に船の帆。映画「海の上のピアニスト」を思い出しました。



島に到着したのは8時半ちかく。しかし建物内にある作品は9時以降でないと見られないということで、山頂近くにある「鬼の洞窟」を目指して歩き始めました。

途中、草むらに酒瓶がささっているのを見つけました…「いいちこ」のポスターみたいです。




そして坂道を登り続けること約40分。洞窟の入り口に到着。洞窟およびその周辺にはふたつの作品-サンジャ・サソ「鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利」、そしてロルフ・ユリアス「緑の音楽」が設置されています。

ただし、ここで最も私のツボにはまったのはその付近に設置されていたさまざまな鬼たち。詳しくは拙稿「鬼レポート」をご覧ください。現代美術作品については正直にいっていまいちでした。

再び山を下りると、ふもとの神社で黒猫さんを発見。この島では猫を頻繁に見ました。いい島です。



福武ハウス2010の建物は休校中の小学校を利用。ただ、展示そのものは、ホワイトキューブ向きの作品が多いという気がしました。杉本博司の作品は、造形的にはまあ面白かったけど言葉が過多。この施設でもっとも記憶に残ったのは石川直樹の展示スペース。島と山の写真を、この二つの共通点を指摘した(たしか柳田國男の)説とともに展示するという構成。その後、いくつかの島を歩く中で、この作品のことを何度も思い出しました。




続いて、金沢21世紀美術館の「プール」でもおなじみ、レアンドロ・エルリッヒ「不在の存在」、そして行武治美「均衡」。前者は鏡の向こうに抜けられるような不思議な空間と、誰もいないのに足跡が残されていく庭など不思議な世界。後者は、無数の鏡片を使った大変美しい作品でしたが、やはり行武さんの作品は越後妻有に設置されている「再構築」のほうが個人的には好き。



ここでも猫に出会いました。毛並みのいい猫。




港近くに広がる住宅密集地では、道の表情がとても豊かでした。曲がった道や細い道など、それぞれ個性がはっきりしているのですが、それらはしばしば石垣で縁取られており全体的に調和した印象を受けました。暑い季節だったら、ビーチサンダルで歩きたくなるような道です。




この島でしばらくのんびりとしていたいところでしたが、限られた時間の中での訪問。
11:30発のフェリーに乗って、男木島に向かいました。
by paginademaiko | 2010-12-24 15:00 | 瀬戸内国際芸術祭2010


かつらとうどん (瀬戸内国際芸術祭2010 その2)
10月12日。
前日のうちに高松入りし、いよいよ「瀬戸内国際芸術祭」の訪問をスタート。

朝7時。朝一番に、高松駅近くにある総合インフォメーションセンターに向かいます。
その途中で見つけたのは、案内板…の下に落ちていた「かつら」。これも作品…か…?





(ちなみにこのかつら、夜になっても同じ場所にありました)

コンビニの外壁には、「ゴミを島に捨てないでください。 高松に持ち帰りましょう。サンクスのゴミ箱もご利用ください。」と書かれたポスターが張ってありました。企業もこうやって芸術祭に関わっているのですね。



総合インフォメーションはフェリーターミナルの1階にあります。まずは、ここでフェリーのフリーパスを購入し、情報収集。7つの島と高松を舞台とするこの芸術祭ではフェリーを使って移動しなければなりませんが、便によっては混雑ゆえ整理券の配布が行われていたり、あるいは場合によっては乗船できない場合もあるとのこと。どうやら、フェリーに乗るには少し時間を割かなければならない場合があるようです。



この日の最初の目的地は女木島。一番船の出発まで乗船時間まで40分ほど時間があったので、周辺を散策。

港の近くには椿昇の「ピー・アール・オー・エム」がありました。高松港管理事務所の建物の一部がミラーで覆われた作品。単純な仕組みですが、少し権威的なフォルムの建物と、そこに映りこんだ朝焼けの空と木々の緑の組み合わせが印象的です。



朝食はもちろん一杯のうどん。


by paginademaiko | 2010-12-15 11:53 | 瀬戸内国際芸術祭2010


瀬戸内へ  (瀬戸内国際芸術祭2010 その1)
10月11日。「鉄道の日記念きっぷ」を手に西へと向かいました。
目指すは瀬戸内海。

この夏から秋にかけ、瀬戸内では、7つの島と高松を舞台に「瀬戸内国際芸術祭」が開催されました。西日本ではおそらく初となる大規模な現代アートの祭典ということで、以前から楽しみにしていたものです。

オープンは7月19日。しかし、この夏は非常に暑い日が続き、また、予想以上の人出から、現地は休日を中心にかなり混雑しているという事前情報も。そこで、10月の平日を狙って訪問することにしました。

今回の旅の目的は次のとおり。
1 瀬戸内国際芸術祭
2 往路は「鉄道の日記念きっぷ」を使い、普通電車のみで瀬戸内海をめざす
3 復路はサンライズ瀬戸で帰京 (正確には横浜で下車してそのまま出勤)
4 うどんをたくさん食べる

ちなみに、瀬戸内国際芸術祭のガイドブックは前日にようやく入手。何件か書店やミュージアムショップを回りましたが、売り切れのところが多く、結局丸の内丸善で買いました。

東京駅を出発したのは6時頃。今回の旅は宿泊地が高松ということもあり、現地ではできるだけ多くのうどんを食べることをミッションのひとつにしていましたが、折角の鉄道旅(しかも長時間)なのでその途中でも乗り換えの際にできるだけ「麺」に挑むことにしました。そして、その第1弾は浜松駅でのおそば。



静岡県内でおそばを食べるときに思うのは、つゆの色は関東風の濃い目なのに、ねぎが青い細ねぎであるということ。この色のコントラストは静岡ならではと感じます。そして七味ではなく一味を置いている店が多い気が。

そして名古屋を過ぎで大垣まで来ると、いよいよ西日本、という気分になります。ここからは米原行きに乗り換え、米原からは姫路まで新快速で。京阪神を結ぶ新快速は停車駅が少なく、気がつけば兵庫県まであっという間。




姫路では一風かわったおそばを頂きました…「えきそば」という名前で販売されていましたが、実際にはおそばなのか、うどんなのか本当のところは良くわからないまま食べました。太さはおそばに近いですが、色と味はうどん寄り。麺に関してはちょっとふにゃっとした歯応えから、間の抜けた印象が免れないですが、味自体は美味しく、また機会があれば食べたいと思います。



相生からは「広島行き」の山陽本線。普通列車の旅ではこれまで西限が神戸だったので、「広島」の文字を目にして、とうとうここまで来たか…という思い。



実は、この日は当初の予定では電車で瀬戸大橋をわたり高松入りする予定でした。しかし公式ガイドブックを良く見ると、岡山県側の沿岸にある宇野にも1点だけ作品が展示されているとのこと。そしてそれが淀川テクニックの作品であると知った私は、この日は宇野まで列車でゆきそこで作品を見てからフェリーで高松入りすることにしました。

車中で夕暮れを向かえ、岡山についたのは夕方6時頃。ここからは宇野線でその終点の宇野へ。オレンジとグリーンの車体は、かつては首都圏でも目にしていた配色で、どこか懐かしい感じ。





宇野には7時頃に到着。終点の駅らしく頭端式のホーム。駅舎はなんとなくハイカラなムードです。駅の目前にはフェリー乗り場。ここははかつて瀬戸大橋ができるまでは四国への玄関口でした。






淀川テクニックの作品は、埠頭の一角に展示されていました。このアーティストはもともと淀川で拾ったゴミによる彫刻を発表していたユニットで、コンセプトの面白さだけでなく造形的にも一貫性があって、近年ではその活動の場を海外にも広げています。「宇野のチヌ」は漂着物を使って魚のチヌを表現したもの。さまざまな場所から流れ着いたものどうしのアッサンブラージュは多様なルーツを内包し、それらの来し方を想像させるような作品でした。



続いて、フェリー乗り場に向かうと、そこに芸術祭の会場のひとつである直島からの船が到着。接岸後、そのなかからはたくさんの人が降りてきました。乗客の中には上陸の瞬間をカメラに収めようとする人も多く、一斉にフラッシュがたかれていました。その人の群れからは祝祭を経験した人たちの熱気と喜びがまだ熱く残っているように感じました。その背後には「回送」と表示されたバスが数台。1日の役目を終えての帰還でしょうか。この夜は3連休の最終日、休日を島で過ごした人々はここから宇野線で岡山まで出て、おそらくそこから新幹線などで帰るのでしょう。



ターミナルでは、ここのスタッフ(?)と見られる猫さんと出会いました。




そして私は高松行きのフェリーに乗船。真っ暗な屋上のデッキのベンチに座り、潮風に髪を乱しつつ、フェリーターミナルで買ったビールを開けます。暗い海に浮かぶ島影、そして盛んに往来する船。夜空を見上げれば星が輝き、なんて幸せなのだろうと涙が出てきてしまいました。途中からデッキにやってきたカップルが暗がりをいいことに抱き合って熱烈にキスをし始めたときはちょっとムッとしたけど、でも自分が同じシチュエーションだったら絶対同じことするよ!うんうん。

高松には1時間ほどで到着。10分ほど歩いて、駅の近くにあるビジネスホテルにチェックイン。おなかが減っていたのでうどんを食べられそうな場所を探しますが、9時を過ぎていたこともあり、うどん屋さんの多くはすでに閉店。居酒屋さんに入り、じゃこ天と「ぶっかけ」をオーダー。自宅を出てから約16時間…この一杯は美味しかったです。



この日利用した「鉄道の日記念きっぷ」はJRの普通列車全線乗り放題が3回分で9,000円というもの。1回あたり3,000円という計算になります。自宅最寄駅から宇野までは新幹線利用だと17,000円程ですからかなりの節約に。ホテルは1泊3,980円のプランを利用しました。
by paginademaiko | 2010-12-14 05:40 | 瀬戸内国際芸術祭2010

    

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