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月曜日。紫陽花を見に鎌倉に行ってきました。

いつも通勤で使っている逗子駅のふたつ手前の北鎌倉駅で下車、あじさい寺として有名な明月院を訪れました。平日とはいえ中高年層を中心に境内はやや混雑、雨も時折強く降っていましたが、紫陽花はまさに見ごろを迎えていて、紫陽花の名所を堪能しました。

その後は閻魔さまのお寺として知られる円応寺へ。野趣あふれるこの小さなお寺には観光客もほとんどおらず、小さなお堂の中に安置された閻魔大王をはじめ迫力のある像をゆっくりと拝見できました。半跏の地蔵菩薩もうるわしく…。
仏像が好きな方には必見のお寺です。

午後は、鶴岡八幡宮の境内を経て、荏柄天満宮、鎌倉宮、杉本寺へ行きました。
杉本寺を訪れるのは高校生の時以来2回目。奈良時代創建と伝えられるこのお寺は鎌倉の中でも特別な貫禄があり、苔むした石段のすり減り具合がそれを雄弁に語っているように思います。
本堂の奥には、行基、慈覚大師、恵心僧都作と伝えられる像が安置されており、修士論文で10世紀の天台彫刻を扱わせていただいた私としては、もうこのお三方のお名前を耳にするだけでワクワクしてしまいます。
いつか間近で拝見したいものです。



荏柄天満宮の参道、木のアーチ。

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杉本寺にて。門の向こうに、苔むした石段。

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トーキョーワンダーサイト本郷で安田悠さんの作品を見てきました。

あざやかではない色、ややトロッとしたタッチで描かれたぼうっとした情景。安田さんの作品は、印刷物でみるとすこし甘えた感じが否めないのですが、実際に作品を見てみると、内容が想像していた以上に豊かであると感じました。
ベージュ系の色でまとめられた画面の表面は抽象画のようにゆらいでいるように見えますが、それを堅牢な構図がしっかりと支えており、鑑賞者は安心してその世界のなかへと興味を向けることができます。谷や水辺、森につどう人影は、人間、あるいは人間のすがたをした精霊のようでもあり、それらかあつまって何かをしている様子を眼にすれば、フォークロアに興味のある鑑賞者なら自然にひとつの物語をつむぎだすことに至ってしまいそうです。

作品を見ている間に頭に浮かんでしまった言葉は、
「スイーツでたとえるならトライフル、宝石ならオパール。」
近づいて、じっくりと味わうことにより最初の印象以上の魅力を与えてくれるような作品です。
by paginademaiko | 2008-06-24 14:53 | アート
ここ数年で、地下鉄乃木坂駅の徒歩圏内には、いくつものアート関連施設が誕生しました。
しかも、そのうちいくつかは月曜日も開館。
毎週月曜日が休日で、かつ同じ千代田線沿線に暮らす私にとっては嬉しいことです。

先日は東京ミッドタウン内にある21_21DESIGN SIGHTを初めて訪れました。開催されていた展覧会は「21世紀人 XXⅠc.」。
比較的大型の立体作品やインタレーションが並ぶなか、おそらく唯一の平面作品として出品されていたイサム・ノグチの「スタンディング・ヌード・ユース」は、清廉な美しさを放っていて、たいへん心に響きました。
立体作品では、鈴木康広さんの「始まりの庭」が良いと思いました。金属を素材として作られた木々や切り株が並ぶ、現代の枯山水。

建物の設計者は安藤忠雄氏。
規格外の比率・角度で構成された、心地よいとは言いがたい、心のどこかで「早く出たい!」と思ってしまうような空間。
同じく安藤氏の設計による直島の「地中美術館」でも同じような印象を受けたことがあります。それは、まるで自分がミュージアムというよりも神殿や墳墓の内部に足を踏み入れてしまったような感覚。
おそらくその建物のあるじが、人ではなく作品(=美)とされていることに起因しているのではないかと、私は勝手に解釈をしているのですが。
by paginademaiko | 2008-06-24 14:47 | アート
世田谷美術館「冒険王 横尾忠則」。
この展覧会を訪れたのは会期最終日のこと。
美術館はとてもにぎわっていました。最初の展示室は作品のサイズが小さかったため、壁伝いに行列をなして作品を鑑賞しなければなりませんでしたが、その次の展示室からは作品のサイズが大きいものとなったため、自分の好きなペースで鑑賞をすることができました。

横尾忠則の作品といえば、個人的にはY字路を描いた作品をすぐに思い出すのですが、もうすこし上の世代の方にとってはグラフィックアーティストとしての仕事を思い出されることが多いのではないでしょうか。
しかし結果として、いちばん自分が楽しめたのは、画面上で様々なイメージが組み合わされた大画面の絵画の数々(第6章、第7章など)。

見慣れたイメージを非現実的な状況下で組み合わせる点を、シュルレアリスム(マグリット、古賀春江など)、あるいはもっと直接的に、ポップアートの系譜につながるものとも見なすことは容易です。しかし、実際のところ、自分が作品を眼にしているときは、それは「合成された情景」ではなく「創造された世界」であるように感じていました。その世界を創造したのは横尾氏本人であるかもしれないし、あるいは、何者かが作り出した世界を「冒険王」横尾氏がその冒険のなかで見いだした世界なのかもしれません。

鑑賞した後、私の身体はひどく疲労していました。
体力を備えてのぞむべき展覧会であったようです。



この日の着物は、この春に伯母さまより頂いた、チョコレート色の小紋。
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by paginademaiko | 2008-06-24 14:42 | アート
6月14日、京橋のギャラリー、「GT2」を訪れました。オオノユキコさんの個展を見るためです。
オオノさんは、以前ヤマウチアートギャラリーで企画展をお願いした作家さんの一人です。

今回は、北海道に取材をされた作品が多く出品されていました。
明るくはっきりとした色彩、おおらかな筆致は前回の展覧会に引きつづき健在なのですが、細部をみると、今回のシリーズで初めてあらわれた表現などがいくつもの作品に共通してみられました。そして、そのように新しく画面上に現れた表現が、目立ちすぎず、謙虚であることに、いっそう好感が持てました。


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by paginademaiko | 2008-06-24 14:34 | アート
日帰りのつもりで出かけた山梨の旅ですが、この日は予定を変更し、甲府市内にある信玄の隠し湯「湯村温泉」に泊まることにしました。

弘法大師が杖を突いたらそこから湯が湧き出たというこの温泉は、今年でちょうど1200年の歴史になるとかで、市街地から道を一本はいったところに、古い旅館、昭和を感じさせる飲食店が並んでいました。背後にある山のふもとにはいくつかのお寺、神社のほか古墳まであり、むき出しとなった横穴式石室がそのまま残っていていました。

この温泉郷にはあちこちにバラ、それもいろいろな種類のそれが植えられているのですが、案内板を見てみると、「弘法大師が大陸からオールドローズを持ち帰ったことにちなんで」とあり…。
不思議な語感に、すこし笑ってしまいました。
湯村温泉。すこしさびれた感じがありますが、いろいろなものに出会える、とても楽しいところです。

翌日は山梨県立美術館を訪れました。
開館30周年記念の企画展「富士山」をじっくりと拝見させていただきました。
信仰対象としての江戸時代の「富士」が、明治には外国に向けで日本を象徴するアイコンとなり、戦中にかけては国体、国家権力の象徴として扱われるようになっていく様子が、よく整理されたうえで展示され、勉強になりました。

この美術館は、コレクションを展示するスペースがとにかく広くて、さらに庭には野外彫刻が多数点在しています(かわいらしいボテロの彫刻を発見!)。
ゆったりしていてメニューが豊富なレストランもあり、一日かけて楽しみました。

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by paginademaiko | 2008-06-10 14:37 | アート
週末、山梨に出かけました。
職場で見つけた、山梨県立美術館の展覧会の案内と、JR東日本の「山梨ディスティネーションキャンペーン」のパンフレットを手に取ったことが相俟っての、山梨行きです。
大人になってから、山梨県を訪れるのははじめてのことでした。

行きは、期間限定運行の「ホリデー快速 ビューやまなし号」を新宿より利用。快速なのに、オール2階建て車両で、お得に旅仕様列車が楽しめました(実は、軽く鉄道ファンな私)。

八王子を過ぎると、列車は深い山の中へとどんどん進み、神奈川県の端っこをへて、山梨県へと入ります。そのうち、再び土地がひらけ始めると、車窓の向こうには葡萄や桃の果樹園。
甲府を過ぎたのち、各駅停車に乗り換え、長坂駅で下車。
タクシーで向かった先は、「清春芸術村」。以前から興味を持っていた場所です。

ここには、エコール・ド・パリの作家たちが住んでいたパリの共同アトリエ「ラ・リューシュ(蜂の巣)」を模した建物が建っていて、その内部は貸しアトリエとして機能しています。

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また、敷地内にある「清春白樺美術館」やルオーを記念して立てられた礼拝堂などは大人むきの雰囲気ですが、庭の一角には、ラ・リューシュのほか、藤森照信氏設計のツリーハウスのような茶室や、エッフェル塔の螺旋階段の一部(老朽化して取り替えられ、不要になったもの)などがあり、博覧会的な楽しさも(実際、ラ・リューシュは共同アトリエになる前は、パリ万博のパビリオンでした)。

帰りに、最寄り駅の近くのコミュニティ・センターに寄った際、この美術館を会場にしたスケッチ大会で、子どもたちが描いた絵が展示されているのを見つけました。作品から、子どもたちがその場所でそれぞれのお気に入りをしっかりと見つけた様子がよく伝わってきました。
by paginademaiko | 2008-06-10 14:10 | アート
5月最後の月曜日、とてもワクワクする空間に出会えました。
銀座3丁目、ギャラリー枝香庵。
以前お会いしたことがある山本冬彦さんのコレクション展が行われているということで、お伺いしました。
エレベーターでビルの最上階を降りたところに、すぐ階段。
それに導かれるようにして上に進むと、踊り場の向こうに小さな展示室。
さらに踊り場でターンして階段を進むと、その先には季節の花々が咲く屋上のテラスと、展示室。
ここが屋上と思いきや、さらに別の階段があらわれ、その上にも展示室。
テラスでは代表の荒井よし枝(素敵なマダム!)さんがご丁寧なおもてなしをしてくださいました。
各展示室に展示された作品の多くは商品、そのうちもっとも印象に残ったのは藤井蓮さんの作品です。貼り絵で表された花は、一見素朴でぎこちない形をもっているのに、どこか崇高で、みやびでした。

屋上というところは、しつらえをすこし与えるだけでとても魅力的な場所になります(そしてそれは、あまり大きくないほうがむしろ好ましい)。私がもっとも好きな「屋上」は谷中にある朝倉彫塑館のそれ。それから、以前短期留学をしていたスペイン・アンダルシア地方にも素敵な屋上がたくさんありました。集合住宅をふくめ、日本の建物にも素敵な屋上がもっと増えればよいのに、と思います。

その後、清田悠紀子さんの個展にも伺いました。場所は銀座6丁目のGALERIE SOL。
作品を実際に眼にするのは2回目なのですが、彼女の作品のなかではいつも身体や視線の動きがとても丁寧に表現されていて、それが、その人物をとりまく空間の穏やかさや優しさなどを想像させてくれます。

この日、その他におとずれた個展のなかで、特に「出会えてよかった」と思ったのは、ギャラリーゴトウで展示されていた鹿嶋裕一さんの木版。市街地や郊外の一角を、魚眼レンズで眺めたようにとらえた画面は、版画とは思えない量塊感を持っていて心地よい。藍染のような色を基調とした色使いは、夜の入り口を思わせる美しい色でした。

その他、この日訪れた主な展覧会は次の通り。
■「小川待子展」 阿曾美術
■「庄司敦子展」なびす画廊
■「門倉直子展」 ギャラリー椿
■「相澤史展」 ギャラリー椿2
■「伊藤幸枝展 「汲む」」 藍画廊
■「青木進展 喜嬉愛楽」アートスペース羅針盤
■「今井李々子 -鉛・点・線-」GALLERY b.TOKYO
■「大島由美子展」村松画廊
■「第9回 美人塔」 art space kimura
by paginademaiko | 2008-06-10 12:19 | アート
5月25日に、うらわ美術館「誌上のユートピア」展を見に行ってきました。
この展覧会は神奈川県立近代美術館 葉山からスタートしたものですが、とても出品点数が多く葉山よりも面積の小さいうらわではとても展示に苦労されたことが察せられます。しかし、実際に展示室をまわってみると、もともとこの美術館が「書籍」関係のコレクションを特色のひとつとしていることもあり、雑誌や絵葉書、グラフィックアートなど小さめの作品を見る環境としては、葉山よりもむしろよく合っていたように思いました。

その後、埼玉県立近代美術館に移動。企画展は開催されていませんでしたので、コレクション展のみを観覧。こちらのコレクション展は、毎回、4つの小企画で構成されていて、それぞれとても充実しています。今回は、昨年度一括寄贈された「大熊コレクション」のお披露目も行われていて、軸物を中心とした近代日本画の優品を眼にすることができました。
今後、美術館がどのような文脈のなかでこれらの作品を登場させてくださるのかを、たいへん楽しみにしています。

倉俣史朗さんのイス「ミス・ブランチ」も展示されていました。
倉俣さんの名前を知ったのは私が高校生のとき、場所は東京・品川の原美美術館。透明でカッチリとした形の造形をみて「ゼリーというよりも、寒天みたい」と思ったことを覚えています。
by paginademaiko | 2008-06-09 12:40 | アート
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