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急にオフとなったこの日、ふらりと秩父に出かけました。

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熊谷駅から秩父鉄道に乗車。まずは終点である三峰口を目指します。
乗車したのは「リバイバル旧塗装」と呼ばれる黄色に茶色のラインの車両。

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しばらくすると、車窓に貨車が出現。積載されているのは石灰石でしょうか。そしてこれをけん引する電気機関車の姿も見られます。国鉄系のものに比べるとサイズは小さめ。

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秩父駅では2機が双子のように並んでいるところを目撃。
深い青色、そして先頭の白いラインがクラシックな雰囲気を醸し出しています。かわいい!

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また、秩父鉄道はかつて様々な会社で運用されていた車両が走っていることでも知られています。途中の駅ではかつての国鉄で使用されていた車両を目撃。車体の配色から、ついガチャピンを想起。

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三峰口には熊谷から1時間半ほどで到着しました。下車したのは数名。

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ここでは駅に隣接した「秩父鉄道車両公園」を訪れました。こちらは小規模な施設ではありますが、電車のほかにも貨車や緩急車、アメリカ製の車体による電気機関車、と豊富な内容です。

貨車は有蓋車が中心で、ワキとかテキとかスムとか、聞いたこともないような名前のものがずらずらと並んでいました。車体に刻まれた手書きの文字に味わいあり。石灰石を運ぶためのトキという無蓋車のうえに上がると、三峰口駅を一望することができました。

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電車はデハ107号とクハニ29号という、秩父鉄道オリジナルの茶系ツートンカラーの車両が展示されていました。昭和20年代半ばに製造・改造されたもの、とのこと。

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こちらの車両の多くは、実際に中に入ることができます。緩急車の内部に入ったのは初めてでした。中にはストーブが。セルフタイマーを駆使し乗車記念の撮影してみました。

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そうこうしているうちに、気が付けば電車の発車時刻まであとわずか。あわてて駅まで走って向かうと、駅前の停留所に止まっていたバスから運転手さんが窓から顔を出し「発車まであと1分だよ~!」と声援(?)。とりあえずダッシュのまま笑顔で応じ、なんとか電車に乗ることができました。

上り電車に乗り、続いて下車したのはひとつ東の「白久駅」。たいへん風情に満ちた駅でした。こちらでは30分ほど周囲を散策し、踏切りで下り電車を撮影。この駅の近くでは看板も商店も悉く郷愁的でした。

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ここで私はとても魅力的なものに出会いました。
それは樹下に置かれた「おまわりさん」。おそらくプラスチック製なのでしょうが、置かれている場所といいい、台座のようなトラカラーのブロックといい、古色を帯びた感じといい、もはやそれは「お地蔵さん」の風格。どうか末永くこの場所で人々の往来を見守っていただきたいものです。

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駅に戻り、ホームで上り電車を待ちます。この駅の手前には大きなカーブがあり、やってくる電車の姿がたいへんよく見えました。

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続く下車駅はもうひとつ東の「武州日野」。こちらでも駅の周辺を散策したり、電車の写真を撮ったりしました。

この駅でもそうですが、秩父鉄道の駅員さんは、どの駅でもとてもフレンドリーで親切でした。この日は半日だけの小さな旅でしたが、こんどはもう少しゆっくりと秩父路を訪ねてみたくなりました。

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東京までの帰路は、①秩父鉄道で熊谷まで出てそこから高崎線、②秩父鉄道で羽生まで出てそこから東武線、③西部秩父駅から西武線 の3つが考えられましたが、結局③を選択。

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夕飯は名産の蕎麦と、地酒「秩父錦」。この地域で親しまれている胡桃入りのクリーミーなおつゆに、コシの強いお蕎麦がよく合っていました。その後、西武秩父駅から飯能まで出て、そこから池袋まで。西武秩父~飯能間の車両はボックスシートで、ゆっくりくつろげました。
代休となった17日は午後から品川方面へ。

この日も厳しい暑さ。ここぞとばかりに、H&Mで求めた、エメラルドグリーンのワンピを投入。
最初の訪問先は最終日が近い原美術館「ウィリアム・エグルストン:パリ-京都」です。

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「カラー写真を芸術表現の域にまで高めた先駆者」とされるアメリカの写真家による、日本の美術館での初個展。

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1階のギャラリーおよび廊下は「パリ」(2006‐08)シリーズから。ギャラリーⅠに入ると、写真の展覧会らしくそこには額が整然と展示されていました。いずれの作品もすこし色あせたような風合が。リーフレットにも使用されている、女性の足をとらえた作品が最も印象に残りましたが、全体的にとらえどころのない構図のものが多く戸惑いました。続く廊下ではペンによる、ちょっと抽象表現的なドローイング…あまり魅力的ではないというのが率直な感想。ギャラリーⅡでは同様のドローイングと写真がペアで額装された作品が続きます。こちらでは、写真に関しては、数を見ていくにつれてその様式に慣れてきたような気がしてきたのですが、そうなるとやはりドローイングはやはり余計かな、と思ったのが正直なところ。

2階に上がると、まずはギャラリーⅢで「ウィリアム エグルストンズ ガイド」(1976年)から7点。1階の作品にくらべ、構図がしっかりとした、見やすいものが多い気がしました。気に入ったのは「ミシシッピ州ジャクソン(1969‐70年頃)」。落ち葉が地面を埋める裏庭のような場所、ほどんど骨ばかりになったような3人掛けソファにフラワープリントのクッションが充てがわれ、その中央に老女がタバコを手に泰然と座る。それはまるで往年の女優のよう。フラワープリントや老女の服や化粧にみられる人工的な華やかさに、この写真家らしさを感じました。

展覧会タイトルにもある、「京都」をテーマにした作品はギャラリーⅣとⅤに展示されていました。いずれも横長の作品、サイズは約80㎝または100㎝と大きめです。制作は2001年。被写体は京都の日常、市バスも写っています。我々が一般的に思う「京都らしさ」のようなものがほとんど登場しないので、説明がなければ、日本のどの都市を写したものかはすぐにわからないような内容です。写されたものを見ていると、安っぽいもの、卑俗なものへの興味がやや強いような気がしましたが、それはおそらく、この作家が好む「色」を求めた結果なのでしょう。

その後は、徒歩で10分程のところにある「物流博物館」に初めて訪問。

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資料展示のほか、ジオラマや制服の試着コーナーもあって子どもでもかなり楽しめそうな場所なのですが、この日の来館者は私のほかに大人ばかり3名。コンテンツ豊富で入場料200円はなかなかお得だと思いました(原美術館は1000円)。
by paginademaiko | 2010-08-23 12:04 | アート
日曜日は京都時代の友人と2年ぶりに会って、上野のバルでランチ。22歳年上のフランス人との遠距離恋愛の行方を聞きながら、パエリヤとカヴァを。

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このバルには「サルバドール・ダリのお気に入り」のカヴァもあり、シュルレアリスム好きにはぜひおすすめしたいところ。このカヴァ、味はいたってシンプルで爽やか。それだけでもいくらでも飲めてしまうし、濃い目のタパスにも良く合います。

スペインはカタルーニャの小さな漁村、ポルト・リガットにあるダリの家は現在公開されており、以前フィゲラスという駅から路線バスに乗ってひとりで訪れたことがあります。それはいわゆる傷心の旅。現地で美容院に飛び込み断髪までしてしまったのですが言葉がうまく通じず理不尽な髪型、食事も喉を通らず顔はげっそり。浜辺で猫と戯れているうちに涙が出てきて…あほらしいくらいに痛々しい状況は、今からすると完全に笑い話なのですが。

この日上野で会った友人との出会いはその前年のこと。京都にある関西日仏学館のフランス語のクラスにて。

この施設、現在はリノベーションを経て随分お洒落な建物になってしまったけれども、私たちがそこに通っていた頃はその中に「Le Foujita」というちょっと古風でエレガントなレストランがあって、そこには藤田嗣治の大きな作品が掛けられていました。

大学生だった私たちは、そこで恋の話ばかりしていたっけ。
2009年に東京国立近代美術館で見た「高梨豊 光のフィールドノート」。


この度、そのカタログが我が家の書棚に仲間入り。
そして先日、買い物の間に立ち寄った喫茶店でこれを開いてみました。

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都市をきりとったモノクロ写真にはブラックコーヒーがよく合う、と思いました。
by paginademaiko | 2010-08-16 08:41 | アート
8月最初の月曜日の朝、上野駅に電気機関車の写真を撮りに行ってきました。

この日の被写体は「カシオペア専用塗色のEF510」。7月下旬より寝台特急カシオペアでの運用が始まったものです。

通常、JR東日本が使用しているEF510は青色ですが、こちらはカシオペアのデザインに合せて「銀色」となっています。自分はEF510を、そのデザインから勝手に「étoile(エトワール=星)と称していますが、銀色のそれは「étoile d’argent(エトワール ダルジャン=銀色の星)」とでも呼ぶことにしたいと思います。


この日のカシオペアは定刻通りに到着。夏休みということもありこの日の乗客は家族連れが多く、先頭部分では、旅の記念撮影が途切れなく続いていました。

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続いて北斗星もまもなく到着。青と銀色の機関車が並ぶ様子を見ることができました。

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この日の午前中は埼玉県立近代美術館で中学生たちとともに作品を鑑賞。解散後は、館内のレストランでランチを取ってから、東京へ。

まずは北浦和駅から京浜東北線で有楽町まで向かい、そこから銀座1丁目の「ギャラリー小柳」へ。こちらでは「須田悦弘」を鑑賞。

朝顔を表現した作品が多かったけれども、その花たちの多くは穴あき(虫食い)の状態で表現されていました。一日だけ、それも朝の数時間しか咲かない花なのに、穴があいているというのは悲しすぎる、と思いました。

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その後、銀座のギャラリー数ヶ所に顔を出したあと、4丁目の交差点にあるカフェへ。
そこで注文したカフェラテのカップの中には、キュートなハートが。

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「かっこいい男の子がミルクを注ぐ様子に見とれていたら、そのカップの中にハートがかかれていて、ドキッとしてしまった!」と素直に気持ちを述べたら、同伴者、苦笑い。
この店の戦略に見事にはまってしまったのかもしれません。

その後、銀座線で渋谷に向かい、Bunkamuraでブリューゲルの版画を見てきました。ブリューゲルは「7つの罪源」をテーマにした作品をつくっているけれども、実際のところ自分はこのうちの多くを犯しながら生きていると言わざるを得ない。
by paginademaiko | 2010-08-12 22:13 | アート
埼玉県立近代美術館は、様々なデザインの「椅子」を所蔵していることで知られる美術館。
これらの椅子は、展示室やパブリックスペースに置かれ、来館者は自由に座ることができます。ホームページには「今日座れる椅子」というPDFも掲載されています。

「スウィンギン・ロンドン」展を見に訪れたこの日は、夏休みということもあり、見たこともないようなデザインの椅子とやや興奮義気にたわむれる子どもたちの姿を至るところで見かけました。

この日私が座ってみたのは、オリヴィエ・ムルグの「ブルム」。こちらに座って10分程読書してみました。

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また、こちらの美術館ではレストラン「ペペロネ」もたいへん気に入っています。料理はどれも美味しく、お値段もそんなに高くない。公園に面した大きな窓から光が入り込む、明るく開放感のある雰囲気も素敵です。

こちらでは、展覧会に関連したメニューも毎回用意されていて、この日はロンドンにちなんだメニュー「フィッシュ&チップス」をオーダー。もちろんビールとともに。

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その帰りにエントランスで彫刻家のH氏に出会う。戸田で公開制作をされており、連日巨木を切り刻んでいるとのこと。この方はもう70歳近いお年にも関わらずいつもセクシーだと思う。
by paginademaiko | 2010-08-12 22:11 | アート
中学生の引率で訪れた埼玉県立近代美術館。自由見学時間のうちに中学校の先生とともに地下の展示室(貸しスペース)を訪れると、知り合いのアーティストがグループ展「零のゼロ2010」に出品中。

彼と先生と3人で話をしているうちに「ここでアーティストトークをしてみよう!」ということになり、急遽私がファシリテーターをつとめることに。

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30分ほど中学生を前にトークをしてきました。
気が付けばそのほかのお客様も、いつの間にか輪に混ざっていたのが面白かったです。
by paginademaiko | 2010-08-10 06:37 | アート
埼玉県立近代美術館では「スウィンギン・ロンドン」が開催中。
先日、某中学校の美術部が団体で訪問する際、記録係として同伴し、見てきました。

10時の開館に併せて入館。美術館の入り口では教育普及担当者からガイダンスを聞きます。そして、その脇にはメモをとっている「見知らぬおじさん」一名。その方はエデュケーターの話に耳を傾けつつ、建物付近のつくりを詳細に確認している様子。

7月下旬頃から、各地の美術館には建築関係の方々が数多くやって来ています。理由は一級建築士の試験課題が「美術館」であると発表されたため。この日埼玉県立近代美術館では、彼以外にも多くの建築関係者を建物の内外で見かけました。


企画展「スウィンギン・ロンドン」は1950年代から60年代のポップカルチャーにスポットを当てた展覧会です。資料はイギリスで制作・製造されたものが中心ですが、同時代の欧米各国や日本のメーカーによるものも展示されています。

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展示の序盤の解説パネルでは、モビリティーの大衆化が、人々に自由な移動と多くの余暇時間をもたらし、それが大衆文化の形成に大きな影響を与えたことが説明されていました。その言葉を受けるように、まもなくベスパなどスクーター、次いでミニのプロトタイプといった「乗り物」たちが登場します。

乗り物のほか、カメラなど比較的男性が好みそうなアイテムの展示が続いたあと、すこし暗めのスペースに、カトラリーやファブリックが登場。しかしそこは「活気の時代」。たとえばパンジーをモチーフとした内装用ファブリックは、白地に紫色の塗料がぶつけられそれが滴り落ちるような表現になっていて、まるでアクション・ペインティングのよう。

続く展示室にすすむと…今度はロック。映画「欲望」の一部であるライブのシーンが上映されていました。ここではミュージシャンがギターを破壊する場面が見られます!

後半になると、展示室は一層色鮮やかに。サイケな要素も強くなってきます。テキスタイルやファッション関係の資料で一目ぼれしてしまったのは「ジャイアン・モカシン」。ベージュ色のブーツ型モカシンに、ビーズ刺繍で大輪の椿(あるいはバラ)が表現されています。その可愛らしさにメロメロ。

ジミー・ヘンドリックスのポスター「エクスプロージョン」はサイケの極地。複雑な等高線で表現されたようなジミヘンが文字通り「爆発」しています。画中のテキストは股間付近に記された「SHARP」のみ。

ウィンドー・ディスプレイ「ザ・ユニヴァーサル・ウィットネス 鍵穴」も記憶に残りました。支持体は、「鍵穴」の名称のとおり「前方後円墳」を逆さまにしたようなかたち。高さは1.5メートルほどでしょうか。その中にはややアメコミ風の画風で二人の男女が描かれます。もちろん「鍵穴から覗き込む」のにふさわしい状況で。

「バレンタイン」と名づけられたタイプライターはソットサスによるデザイン。のちにソットサスは回顧のなかでこれを「まるでミニスカートで厚化粧の女の子」のようだと例えています。

ポップですこしクレイジーなアイテムを見ているうちに、なんだか自分も破廉恥なシャツを着て付けまつげでもしてみたくなりました。

見ていると元気に、そして少しとんがった気分になれる展覧会です。
by paginademaiko | 2010-08-10 06:34 | アート
最高気温が36度となったこの日。自分でも予定の展覧会を回りきれるのか?と疑問に思っていましたが、…気が付けば6ヵ所目、水曜日は午後9時まで開館しているワタリウム美術館の前。

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こちらでは「落合多武 スパイと失敗とその登場について」を見ました。内容はかなり「ユル~い」感じ。建築をテーマにしたドローイングのシリーズは、どれもヘタウマどころヘタクソなのですが、その多くが所謂「名建築」と呼ばれるもののため、元の姿を思い浮かべることができます。そしてそれらが無碍に表現されている様子がまた面白い。

会場の吹き抜け部分に大きく投影されていた作品は、ビデオカメラが壊れていたためにめちゃくちゃになってしまった映像「ブロークン・カメラ」。解説にある「再生する度に違ったエフェクトがかかる、天気のように変化する機械」という言葉がたいへん魅力的でしたが閉館時間まであまり時間がなくお付き合いはほどほどに。映像作品では4階にあった「ウェーブ」が心に沁みました。隣接するカジノの光をうけ、ほのかに浮かび上がる波打ち際。そしてその先は漆黒。ひと夏に一度くらいは眺めてみたい景色です。

とにかく「ユルさ」に溢れた内容。



帰り道、美術館の近くで見つけた小さなとまり木でビールを一杯。暑さと、たくさんの作品との出会いでやや興奮気味の気持ちと火照った身体を鎮めるように。
by paginademaiko | 2010-08-09 16:55 | アート
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