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先日、「瀬戸内国際芸術祭」で女木島に行きました。こちらは昔話「桃太郎」に登場する「鬼が島」ではないかと言われている島で、島内には鬼たちが住んでいたとされる洞窟があります。

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面白かったのは、この洞窟周辺に設置されている鬼たち。その姿は極めて多様…というか、キャラクターデザインの統一がまったくなされていない。学生時代に仏教彫刻史を専攻していた私としては、仏師(?)の系譜についてタイポロジーをしたくなってしまいますが、今回は軽く記録写真に収める程度にとどめることに。


ということで、ヘルメットをかぶり、洞窟入り口からレポートいたします!

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洞窟へ向かう道にはなぜかチョキを出している鬼。

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水玉パンツがキュートな赤鬼と、イナズマを思わせるパンツの青鬼。

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閻魔大王のような貫禄の鬼。ヒゲもたっぷり。

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チビッコの鬼はあまり鬼らしくない。キバがないからかしら。

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向かって右側の鬼はかなり髪の毛多めで、なぜか望遠鏡を持っています。左側は胸の筋肉が割れまくり。

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洞窟の中では桃太郎と決闘。

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こちらの赤鬼はトラではなく「ヒョウ」のパンツ。桃太郎も先ほどの人とは別人のようです。ダブルキャストか。

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ローマの休日に出ていたような、そうではないような…。って、これって一体なんですか…?

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この他にも洞窟の中には鬼たちがとにかくいっぱい。最後には集団で手を振り訪問者をお見送りしていました。いずれも作風に統一感は無く、それぞれ個性的。洞窟の中には国際芸術祭の出品作品も設置されていたのですが、これだけ鬼たちがいる中ではかなり分の悪い様子でした。

この洞窟は通常だと入場料500円(瀬戸内国際芸術祭のパスポートを持っている場合は200円)。これを高いとみるか安いとみるかは人によりますが…私は結構笑いのツボにはまりましたので、行ってよかったと思います。無料でヘルメットを貸してくるのもポイントが高い…探検隊って感じがして、たいへん気分が盛り上がりました。でも、贅沢を言えるなら桃太郎のコスチュームがあってもよかったかな。あるいは、サルとか犬とかキジを貸してくれるサービスがあってもいいかもしれない。
by paginademaiko | 2010-10-18 23:49 | アート
日比谷公園にアーティストの名が冠されているバラが咲いている、という友人からのメールをヒントに、バラを探しにこの公園を訪れたのは今年5月のこと。

そこで出会ったのは「ベルナール・ビュフェ」というバラでした。

昨日、静岡県にあるビュフェ美術館を訪れたら、ふとバラの香りがしてきました。「ベルナール・ビュフェ」との再会です。

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日比谷公園のバラもそろそろ見ごろなのでしょうね。
今年のお月見は女子2名で。場所は横浜の三渓園です。

仕事帰り、根岸線の根岸で下車。ここから三渓園まではバスで10分ほどの本牧で降りて、さらに徒歩で10分ほどです。

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三渓園を訪問するのは2008年の横浜トリエンナーレ以来。この日は中秋の名月にちなんだイベントが行われており、建物のライトアップや和楽器の演奏が行われていました。

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空は美しい濃紺。池の向こうにはライトアップされた室町時代の三重塔。園内に入ったときは月が見当たらなかったのですが、池に沿って歩き進むと、山の端から上ってくる月を発見。

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よい場所を見つけて、ビールで一興。すこし蒸し暑かった分、これがまた、美味しい。

この日は徳川家の別荘建築を移築した「臨春閣」を舞台に琵琶の演奏が行われていました。人々は建物の前に広がる芝生の庭に座り込み、かしこまらない雰囲気の中で聞けたのがとてもよかった。大人な雰囲気の、素敵な秋の夜となりました。
絵画教室の講評会に、コメンテーターとして参加してきました。
場所はおなじみ目黒の絵画教室「ルカノーズ」です。

この日作品を持ち寄った生徒さんは6名、これに対して3名の講評陣が付くという、なかなか贅沢(?)な取り合わせ。講評は3時間ほどかけてじっくりと行われました。

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この教室、制作の課題がとてもユニーク。「描き方」だけではなく、現代美術が取り入れてきた手法やコンセプトが課題として設定されています。

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ということで、今回の講評会も、一筋縄では行かないような個性的な作品がたくさん登場。講評陣泣かせの作品の連続でしたが、刺激的かつ楽しい時間でした。


その後は教室のテーブルで、みんなで鍋を囲みました。みなさん仲良く、まるで大家族の食卓みたいでした。また呼んでほしいなあ…。
by paginademaiko | 2010-10-06 10:06 | アート
群馬県立美術館で「群馬青年ビエンナーレ」を見て、バスで30分ほどかけて高崎駅まで。駅からは徒歩1分の場所にある高崎市タワー美術館に到着したのは5時過ぎ。

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こちらでは高崎出身の実業家、山﨑種二のコレクションによる展覧会「近代日本画の巨匠たち」を見ました。最初は「山種美術館の名品展のような内容なのかな?」と思いましたが、そうではなさそう。リストを見てみると、所蔵先の欄が空欄になっているものが多かったので、出品作品は個人や企業が所蔵しているものが多いのかもしれません。

序盤では横山大観や川合玉堂など東京を中心に活動した画家の作品が登場。もっとも長く立ち止まっていたのは奥村土牛の作品の前。「兎」はなにか気配を感じてふとふりかえった小さな兎を描いたもの。そこにあるのは一瞬の緊張感。頭上には山葡萄、画面下方には赤まんまの房3つ。兎をとりまく豊かな色彩が、その小動物の緊張感をドラマチックに彩っています。

続いて京都画壇より竹内栖鳳、上村松園などが取り上げられています。栖鳳の描く「孤鹿」は向こうへ跳ねていく鹿と、やや蛍光気味のピンクのツツジが快活な印象を与える作品。「老松朝陽」は抽象画のように思える大胆な構図と色使いで、ほとんどアクションペインティングの域です。

松園が描く美人たちはいつも「なにかを見ている女」。その目線を追いたくなり、そして、その心もようを探りたくなります。

土田麦僊の花鳥はサラサラと描いているようにみえますが、どれもみずみずしい。とりわけ素晴らしかったのは「柘榴叭々鳥」。この作品と対をなすように展示されていたのは小茂田青樹の「柿に百舌鳥」。カラリとした空気のなかに柿木の枝、実は3つ。そこにある空間のうるおいがすべてそこにとじこめられているような、豊かでふっくらとした相。

こちらの展示室は、4階から3階に降りるという動線となっています。後半は主に昭和50年代に制作された、工藤甲人や上村淳之などの作品が出ていました。

閉館時間をむかえ建物を出ると、景色は夕方色。駅に続く通路には「チェコフェア」と書かれた顔出しパネルがあり、試みたいと思うも、写真を撮ってくれそうな通行人が見当たらず通過。

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この日は(実は二日酔いをかかえつつ)イベント列車を乗り継ぎ越後湯沢まで行き、温泉に入りそして高崎で3つの美術館を訪れるという、ちょっと狂気めいたコンテンツでしたが、その一日の終わりに美しい絵画を見たことにより、うまく着地した感じが。大満足の一日でした。
by paginademaiko | 2010-10-06 09:35
午前中からお昼過ぎにかけて「SL水上号」と「風っ子号もぐら」に乗り、そして高崎市美術館で「魅惑の万華鏡展」・「佐藤晃一 デザインと俳句」を見たこの日。この日の最重要ミッション、群馬県立美術館の「群馬青年ビエンナーレ2010」へ。

この美術館は完全なる「郊外型」高崎駅からバスで約30分。本数も少ないので、帰りのバスの時間を気にしながらの鑑賞になってしまうのが残念なところ。各地にある県立の美術館の多くは「駅からバス」というものがおそらく大多数を占めていると思いますが、「所要時間15分/15分おきの発着」より不便になると、行くのに気合が必要になってくるような気が。


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「群馬青年ビエンナーレ2010」はコンペ形式の展覧会で、第10回となる今年は1119点より53点が入選したそうです。5名の審査員のなかには、伊藤存さんや鴻池朋子さんといった現在注目を集めるアーティストの名も見られます。

以下、会場で気になった作品を、ほぼ「見た順」に言及していきます。

小野さおりさんの「モノガタリノアト」。一見静物画のようにみえる、全体が暗緑色のトーンに包まれた、ボンヤリとした絵画。不安、不穏、不快という言葉が頭に浮かびました。ガイコツらしきものからはヴァニタス画を連想させるも、器のかたちから白血球を連想した途端、ヴァニタスという言葉がドライに思えるほど、湿り気のある不安感を感じました。

増子博子さんの「Bonsai sapiens」。タイトルが面白い。盆栽といっても実際には平たい盆栽鉢がモチーフ、表面をみると増殖する細胞のようなものがそれをかたち作っている様子がわかります。とにかく執拗な感じ。身近に置きたいとは思えないけれど、一度見たら忘れられない凄みが増子さんの作品にはある。

Marianeさんの「骨がない」は海洋生物から着想したような生き物から成る三幅対。和紙にアクリルガッシュで描かれたそれは、美しいラインと赤紫系の色彩をともないながら、そこにエロスを充満させています。

最初の展示室は「増殖」を感じさせるものがとにかく多かったです。馬渕晃子さんの「works 2010-1」もそんな作品。レース編み、あるいはフジツボを思わせる形状が画面を埋める。見ているうちに恐ろしくなりました。

遠藤夏香さんの「湯気とたちのぼるもの」はゼロ年代らしいフィギュラティヴな絵画ですが、お風呂や銭湯の湯船に浸かる人々の体や頭部からはやや過剰気味に湯気が立ち上がり、不気味だけれどもどこかほのぼのするような内容。井上長三郎の絵を思い出しました。

箱嶋泰美さんの「リゾートコンシェルジュ」と「まちあわせ」は、人々を描いた作品でありますが身体性はあまり強くなく、ややノスタルジックな雰囲気が私好み。前者はリゾートホテルのロビーでくつろぐおじさんたち、後者はおそらく街角での一場面。画中に登場する人物のややムックリとした体つきはグロッスや松本竣介の作品を思わせますが、極端に赤みがかった色彩からは横尾忠則の絵画に見られるような「いたずらっ気」みたいなものを感じました。

平面作品では「増殖」「身体」をキーワードとしたような作品が多く、人によっては不快に感じるようなものも多かったのですが、立体作品もそれに劣らず挑発的なものが多く出ていました。

阪中隆文さんの「TORYUMON 2010」はボートを支持体として、その外壁に鮭の皮をびっしりと貼り付けたものと、それによる航行を記録した映像から構成される作品。鮭の皮からは匂いが漂っていました。高橋由一へのオマージュ…かどうかは定かではありませんが。

荒木由香里さんの「grass roots」は、様々な靴の表面が作り物の葉や実に覆われ、それらが同系色のリボンで繋がれ合い、丸いティーテーブルに載せられているという作品。ガーリーなデコラティヴ系作品といえますが、色調の統一感と見た目の美しさに関しては、素直に好感の持てるものでした。パンプスなど、森の中を歩くには不向きと思われる靴が多いし、そもそもそれぞれが繋がれているので靴としては機能できない。これは森の中を歩いてみたいという、靴の夢なのでしょうか。あるいは、rootsというタイトルから、靴を「我々と大地をむすぶ」アイコンとして再考させようとしているのでしょうか。

篠原美奈子さんの「垂れ耳」は樹脂による巨大なウサギ。昔見た黒澤明の「夢」に出てきた、放射能で巨大化した植物たちを思い出しました。しかし同じ巨大な作品では山本麻璃絵さんの「絶滅器具種」のほうが断然好み、これは楠で作られた巨大な公衆電話です。発想はすごく単純ですが、木彫好きの私にはガツンと響く作品。(個人的に、携帯電話を持つのがかなり遅かったため、公衆電話にはたいへんお世話になっていました。2ヶ月海外に行っている間に良く使っていた公衆電話が撤去されてしまった時には淋しかった…きっと私が居ない間だれも使わなかったからかも…)

今回の出品作のなかで最も印象に残ったのは高橋涼子さんの「美しき寝室 Beautiful bedroom」。寝具一色によるインスタレーションです。シーツと枕には小花模様が刺繍されていますが、それは作者の髪の毛を使ったもの。「こわい」「きもちわるい」と思うかどうかの間をゆらぐような表現ですが、細いステッチで施された花模様のやさしい表情から、創り手にとって眠りというものがまさしく安らぎの時間があることを感じさせました。今年の春にIZU PHOTO MUSEUMで見た「時の宙づり-生と死のあわいで」にも、髪の毛による造形が見られましたが、髪の毛というのは肉体と精神を表現するうえで需要な素材になりうるものだと思います。ただし人間が、他者の毛髪に嫌悪感を抱くことも事実。そのあたりをどうコントロールするかも作家にとって重要な課題といえるでしょう。

岩城諒子さんの「脂肪」。これは強烈でした。ガラスケースの中に並ぶのは、一見、人の腕のようにみえます。しかしこれは豚の脂肪を寄せ集めて作られたもので、よくみると透明の汁が染み出していました。この作品の周囲ではなんとなくそれらしい匂いが漂っているような気が。脂肪という素材と、ケースに陳列された様子からはボイスを思い出させますが、しかしこの作品、どうやって保管するのか…。

中島健さんの「UFO PROJECT +ワークショップ」は、アルミホイルによる銀色の物体が空を飛ぶという、チープなアニメーション。ナンセンス系の笑いが好きな人にはぴったりの作品です。私も嫌いではありませんが、もうひとひねりあってもいいかなあ。

会場終盤では比較的私好みの作品が多く見られました。上浦佑太さんの「Construction0911」はアメーバ状の形状が画面を多う平面作品ですが、それらの色はオレンジまたは緑系に統一されていて、しかも繧繝彩色風なのです。サイケでありながらどこか奥ゆかしい、そんな造形。置く場所によっても様々な表情を見せてくれる作品だと思いました。黒い板壁などにふと掛けてあったら、とてもカッコイイと思います。

福田良亮さんの「常夜灯」はカラー・フィールド・ペインティングのような作品ですが、部分によってしっかりと塗ってあったり、汁っぽかったり、あるいはイモ版で押したようだったり、様々なマチエールを見せています。赤・紫・緑を基調としたアヴァンギャルドな色彩と、常夜灯というモチーフとタイトルの組み合わせがまたグッときます。




…というわけで、なかなか盛りだくさんであった「群馬青年ビエンナーレ」。しかし土曜日の午後だというのに他にほとんどお客さんが見当たらなかったのは勿体無いというほかはない。余計なお世話かもしれませんが、この企画にある「青年」という文字にはちょっと懐古的な響きがあるように思えます、そのせいで「青年」から敬遠されてしまっているのかも…と思うのは、自分だけでしょうか。
by paginademaiko | 2010-10-04 07:47 | アート
予定外のアトラクションにはまり、高崎から越後湯沢まで足を伸ばしてしまったこの日。午後は本来の予定に復帰し、高崎で3つの美術館を訪問しました。

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ひとつ目は高崎市美術館の「魅惑の万華鏡展」・「佐藤晃一 デザインと俳句」。万華鏡は、10年ほど前にワークショップを行った関係でかつてマイブームな時代がありました。その後も度々展覧会などで目にすることはあったけれど、工芸品としての美しさを備えつつも、、いまいち垢抜けないものが多いのはなぜでしょう。この展覧会でも、覗き込んだ時に見えるイメージには素直に好感が持てても、外観で損をしていると思われるものが気になりました。あるいは、もうすこしコンセプチュアルな要素を取り込んでもいいのかなと(デュシャンへのオマージュ的に便器を使った作品もあったけれども…)。

グラフィックデザイナー・佐藤晃一氏の作品は、ポスターと「俳グラ」。「俳グラ」は俳句とグラフィックが組み合わされたもの。作品もたいへん粋でかっこいいものでしたが、こちらでは特に美しく作品を引き立てる展示方法に関心を抱きました。真紅の壁紙に、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナ・スツール。ヨーロッピアン・モダンを感じさせる空間に、縦長の「俳グラ」が「しゃんと」映えていて、うまいなあと思いました。

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こちらの敷地内には「井上房一郎邸」があります。前回見たときはターシャ・テューダーの展覧会に合せて庭園が西洋風になってしまっていたけれども、現在は和風に。こちらの建物を訪れるのは2回目ですが、なんと快適そうな家なのだろうと、見るたび思います。

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by paginademaiko | 2010-10-02 23:47 | アート
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