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さて、今年もいよいよ終わろうとしています。

訪問した美術館や展覧会について、言いたい放題書かせていただいているこのブログですが、なかには、せっかく訪問したのに言及をせずに時間が経ってしまったものもあります。

ということで、今回は2010年に訪問した美術館や展覧会で、まだこのブログでお話ししていないものを、訪問日とタイトルだけではありますが、振り返りたいと思います。

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5月31日 
ルーシー・リー(国立新美術館)


7月2日
印象派はお好きですか?(ブリヂストン美術館)


7月18日
マン・レイ 知られざる創作の秘密(国立新美術館)


7月28日
黒田清輝展(岩手県立美術館)


9月16日
私を見て!ヌードのポートレイト(東京都写真美術館)
オノデラユキ 写真の迷宮へ(東京都写真美術館)


9月21日
こんな人あんな人 欧米版画に見る人物表現展(町田氏国際版画美術館)
太郎の祭り(川崎氏岡本太郎美術館)
TOKYO PHOTO 2010(六本木ヒルズ)

9月20日
ゴッホ展(国立新美術館)


9月21日
アートアワードネクスト(東京美術倶楽部)


9月24日
浜口陽三・植田正治二人展-夢の向こうがわ(ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション)
アントワープ美術館コレクション展(オペラシティー アートギャラリー)
田中一村 新たなる全貌(千葉市美術館)


10月2日
こどものにわ(東京都現代美術館)


10月5日 (「鉄道の日記念きっぷ」利用)
木村友紀 無題 (IZU PHOTO MUSEUM )
作家のアトリエ展(ベルナール・ビュフェ美術館)
浮世絵とジャポニスム(静岡市東海道広重美術館)
ロボットと美術(静岡県立美術館)


10月10日
陰影礼讃―国立美術館コレクションによる(国立新美術館)


11月21日
バーーネット・ニューマン(川村記念美術館)


12月5日
Wallraf-Richartz-Museum, Köln
Kunst Museum Bonn, Bonn


12月6日
Neue-pinakothek, Munchen


12月7日
Pinakothek-der-moderne, Munchen
Alte-pinakothek, Munchen


12月9日
森鴎外記念館, Berlin
Neue Nationalgalerie,Berlin


12月10日
Bauhaus aruchv, Berlin
Arte Nationalgalerie,Berlin
Pergamonmuseum,Berlin


12月17日
麻生三郎展(東京国立近代美術館)


12月18日
ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス(金沢21世紀美術館)


12月19日
セシル・アンドリュー Culture2 (発電所美術館)


このほか、たくさんの個展にも訪問をさせていただきました。

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今年もたくさんの素晴らしい作品に出会えました。来年も、どんな展覧会、作品に出会えるかとても楽しみにしています。

そして、このブログにお付き合いいただきました皆様にとって、来年がよい年となりますように。
by paginademaiko | 2010-12-31 12:04 | アート
直島を訪れるのは、2004年に続いて2回目。

男木島からの高速船で宮浦港に到着したのは午後2時過ぎ。最初に向かったのは大竹伸朗/grafの「直島銭湯」。


住宅街の中にあって、実際には、引いて見るのが難しいことがわかりました…。

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そしてその後向かったのは、前回訪問時に訪れた「山本うどん店」。男木島で食べたうどんの不味さ(しかも1時間も待たされたし)が後味悪く残っており、それを払拭したい一心で。

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ああ、生き返った…。

バスに乗るためいちど草間彌生の赤いカボチャが鎮座するフェリーターミナルに戻ります。ここにはどこかで見覚えのある椅子もありました…金沢21世紀美術館の庭にあるものですね。

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ここからは、バスに乗って島の反対側へ。家プロジェクトのうち、大竹伸朗の「はいしゃ/舌上夢/ボッコン硯」、須田悦弘「碁会所/碁会所」を訪ね、その先の突き当たりの海に浮かぶ川俣正による浮島「向島プロジェクト「島から島をつくる」を見ました。これは割りと存在感の希薄な作品で、川俣の作品のスタイルを知っていればすぐに発見できるけれど、そうでないと認識しづらいというちょっと意地悪な作品。

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直島にはこのほかにも見るべき作品がありましたが、船の混雑状況を鑑み、念のため最終便の一本前の船が高松に戻ることにしました。

乗船前にターミナルで冷たいデザートを買って、フェリーのデッキにて瀬戸内海の夕暮れを眺めながら食べました。その甘くさわやかな桃のフレーバーは、嬉しくなるくらいの美味しさでした。

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アート、美しい海、町並み、船、うどん…。五感を刺激され続けた1日の最後にふと感じた心地よい疲れ。瀬戸内国際芸術祭の1日目の終わり、「やっぱり、来てよかった…」と思いました。
女木島から男木島までは、フェリーで20分ほど。あっという間に到着しました。
人が住んでいるエリアは山の斜面に密集していました。

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船着場にはジャウメ・プレンサによる「男木島の魂」。ターミナルの建物として機能していますが、ガラス張りの建物の中を見ると、トイレに並ぶ人々の長蛇の列。うわ…。

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お昼時が近かったので、港近くにある民家を使ったうどん屋さんに入りました。素人っぽいおじさんたちが切り盛りしている、かなり飾り気のないお店。船の到着とともに一気にお客さんが入ったためか、やや混乱した状況。私のオーダーは放置され、結局一杯の「ぶっかけうどん」が出てくるまでに1時間かかりました(泣)しかもそれが悲惨なくらいに美味しくなくて…。

ランチタイムが不具合だったために、ちょっと気分を曇らせながら島歩きを開始。

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眞壁陸二「男木島 路地壁画プロジェクト」は島のいたるところで目にしました。青い空とよく合っていたけれど、曇りの日でもいい色かもしれません。

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谷川恭子「雨の路地」は吊り下げられたバケツやヤカンから水がぼたぼたと落ちる作品。視覚的には面白い作品だったのですが、私には「島=水の確保に苦労する」というイメージがあり、使用している水をリサイクルしている様子がはっきりとはわからなかったせいか、なんとなく配慮不足な印象が残念。

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この島にはこじゃれたカフェもありました。その奥には川島猛とドリームフレンズによる「想い出玉が集まる家」。「想い出玉」とは男木島の各家庭にある「捨てられない紙」を使って作られた球状のオブジェ。手紙なども使われているとか。


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そういえば京都・山科の随心院には小野小町がもらったラブレターを下張りにしたお地蔵さんがあったっけ…。

中西中井「海と空と石垣の街」。路地の石垣にたくさんの小さい家がくっついています。半透明のリボンが風にそよいでいました。


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松本秋則「音の風景(瀬戸内編)」、小さな小屋のなかに羽が吊り下げられ、小さなモーターによってフルフルゆれるサウンド・オブジェ。作品はこのほかにもありましたが、観覧のためには列に並ぶ必要があり、観覧せず。

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やや高台の場所には、家の内部を使った作品が続きます。

高橋治希「SEA VINE」も、見たかったのですが待ち時間が必要なため今回はあきらめました。

北山善夫「誕生-性-生-死-家-男木島伝説」。絵画作品によるインスタレーションですが、なかには人間の暗い面を描写したものも多く、R18な感じ。作品は数か所にありましたが、入り口のキャプションでこの作家の名前をみるだけで見るのを止めてしまう人の姿もありました。

島こころ椅子プロジェクト グループ5による「島こころ椅子」、どこからか集められた様々な椅子が並びます。こういう場所は散策系のアートイベントでとてもありがたい。


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その後、漆の家プロジェクト「漆の家」、オンバ・ファクトリー「オンバ・ファクトリー」、そして西堀隆史「うちわの骨の家」を訪ねました。

また、島のいたるところでは谷口智子「オルガン」を目にしました。これは、島の各地に埋め込まれたパイプが、時に望遠鏡や潜望鏡であったり、あるいは楽器であったりするというもの。これ、学校のなかにあったら面白そう!

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この島では全体的に来訪者が過剰な印象。細い坂道が網目のようになっていますが、場合によっては人が詰まってしまっているところもありました。作品に関しては、見るために30分以上待つものがいくつもありました。休日は2時間以上待つものもあったみたいで…もはや、ディズニーランドみたいな感じですね。

そんな感じで、ちょっとわさわさした雰囲気になってしまっていましたが、しかし、この島の町並みの美しさは、会場となった7つの島の中でもかなり特筆すべきものでした。観光客の居ない季節に、ひっそりとお忍び(?)で訪れてみたい。


13:55。高速船にのって直島へ向かいます。


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瀬戸内国際芸術祭、最初に訪れた島は「女木島」。昔話「桃太郎」の「鬼が島」のモデルとされている島です。

高松とこの島の間には鈴木康広「ファスナーの船」 が運航中。これはファスナーの形をした船が海を切り開くように進んでいくというもので、ぜひ乗ってみたかったのですが、この日はあいにく運行されておらず、乗ることが出来ませんでした。

高松港から、赤い船体のフェリー「めおん2」に乗船。

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船の中はかなり混雑しています。島に近づくにつれて、次の内容がアナウンスで伝えられます。「混雑のため乗客の積み残しの可能性がありますから、余裕をもって行動してください。積み残しが生じた場合には責任は負いません」。なんども繰り返されるアナウンス…おそらくその前日までの3連休の間に(相当な人出だったと聞いていたので)「積み残し」が多発していたのだろうと推察。


島には20分ほどで到着。車両甲板を見下ろすと、バイクのカゴにガイドブックを入れたおじさんの姿。なんか「普段着のアート探訪」という感じがしてすごくいいものを見た気持ちになりました。

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下船をすると、そこで来訪者を迎えてくれるのが、木村崇人「カモメの駐車場」 。薄い板で作られたフェイクのカモメが防波堤に並んでいます。

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続いて禿鷹墳上「20世紀的回想」。グランドピアノの上に船の帆。映画「海の上のピアニスト」を思い出しました。

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島に到着したのは8時半ちかく。しかし建物内にある作品は9時以降でないと見られないということで、山頂近くにある「鬼の洞窟」を目指して歩き始めました。

途中、草むらに酒瓶がささっているのを見つけました…「いいちこ」のポスターみたいです。


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そして坂道を登り続けること約40分。洞窟の入り口に到着。洞窟およびその周辺にはふたつの作品-サンジャ・サソ「鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利」、そしてロルフ・ユリアス「緑の音楽」が設置されています。

ただし、ここで最も私のツボにはまったのはその付近に設置されていたさまざまな鬼たち。詳しくは拙稿「鬼レポート」をご覧ください。現代美術作品については正直にいっていまいちでした。

再び山を下りると、ふもとの神社で黒猫さんを発見。この島では猫を頻繁に見ました。いい島です。

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福武ハウス2010の建物は休校中の小学校を利用。ただ、展示そのものは、ホワイトキューブ向きの作品が多いという気がしました。杉本博司の作品は、造形的にはまあ面白かったけど言葉が過多。この施設でもっとも記憶に残ったのは石川直樹の展示スペース。島と山の写真を、この二つの共通点を指摘した(たしか柳田國男の)説とともに展示するという構成。その後、いくつかの島を歩く中で、この作品のことを何度も思い出しました。


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続いて、金沢21世紀美術館の「プール」でもおなじみ、レアンドロ・エルリッヒ「不在の存在」、そして行武治美「均衡」。前者は鏡の向こうに抜けられるような不思議な空間と、誰もいないのに足跡が残されていく庭など不思議な世界。後者は、無数の鏡片を使った大変美しい作品でしたが、やはり行武さんの作品は越後妻有に設置されている「再構築」のほうが個人的には好き。

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ここでも猫に出会いました。毛並みのいい猫。

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港近くに広がる住宅密集地では、道の表情がとても豊かでした。曲がった道や細い道など、それぞれ個性がはっきりしているのですが、それらはしばしば石垣で縁取られており全体的に調和した印象を受けました。暑い季節だったら、ビーチサンダルで歩きたくなるような道です。

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この島でしばらくのんびりとしていたいところでしたが、限られた時間の中での訪問。
11:30発のフェリーに乗って、男木島に向かいました。
10月12日。
前日のうちに高松入りし、いよいよ「瀬戸内国際芸術祭」の訪問をスタート。

朝7時。朝一番に、高松駅近くにある総合インフォメーションセンターに向かいます。
その途中で見つけたのは、案内板…の下に落ちていた「かつら」。これも作品…か…?

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(ちなみにこのかつら、夜になっても同じ場所にありました)

コンビニの外壁には、「ゴミを島に捨てないでください。 高松に持ち帰りましょう。サンクスのゴミ箱もご利用ください。」と書かれたポスターが張ってありました。企業もこうやって芸術祭に関わっているのですね。

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総合インフォメーションはフェリーターミナルの1階にあります。まずは、ここでフェリーのフリーパスを購入し、情報収集。7つの島と高松を舞台とするこの芸術祭ではフェリーを使って移動しなければなりませんが、便によっては混雑ゆえ整理券の配布が行われていたり、あるいは場合によっては乗船できない場合もあるとのこと。どうやら、フェリーに乗るには少し時間を割かなければならない場合があるようです。

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この日の最初の目的地は女木島。一番船の出発まで乗船時間まで40分ほど時間があったので、周辺を散策。

港の近くには椿昇の「ピー・アール・オー・エム」がありました。高松港管理事務所の建物の一部がミラーで覆われた作品。単純な仕組みですが、少し権威的なフォルムの建物と、そこに映りこんだ朝焼けの空と木々の緑の組み合わせが印象的です。

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朝食はもちろん一杯のうどん。

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10月11日。「鉄道の日記念きっぷ」を手に西へと向かいました。
目指すは瀬戸内海。

この夏から秋にかけ、瀬戸内では、7つの島と高松を舞台に「瀬戸内国際芸術祭」が開催されました。西日本ではおそらく初となる大規模な現代アートの祭典ということで、以前から楽しみにしていたものです。

オープンは7月19日。しかし、この夏は非常に暑い日が続き、また、予想以上の人出から、現地は休日を中心にかなり混雑しているという事前情報も。そこで、10月の平日を狙って訪問することにしました。

今回の旅の目的は次のとおり。
1 瀬戸内国際芸術祭
2 往路は「鉄道の日記念きっぷ」を使い、普通電車のみで瀬戸内海をめざす
3 復路はサンライズ瀬戸で帰京 (正確には横浜で下車してそのまま出勤)
4 うどんをたくさん食べる

ちなみに、瀬戸内国際芸術祭のガイドブックは前日にようやく入手。何件か書店やミュージアムショップを回りましたが、売り切れのところが多く、結局丸の内丸善で買いました。

東京駅を出発したのは6時頃。今回の旅は宿泊地が高松ということもあり、現地ではできるだけ多くのうどんを食べることをミッションのひとつにしていましたが、折角の鉄道旅(しかも長時間)なのでその途中でも乗り換えの際にできるだけ「麺」に挑むことにしました。そして、その第1弾は浜松駅でのおそば。

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静岡県内でおそばを食べるときに思うのは、つゆの色は関東風の濃い目なのに、ねぎが青い細ねぎであるということ。この色のコントラストは静岡ならではと感じます。そして七味ではなく一味を置いている店が多い気が。

そして名古屋を過ぎで大垣まで来ると、いよいよ西日本、という気分になります。ここからは米原行きに乗り換え、米原からは姫路まで新快速で。京阪神を結ぶ新快速は停車駅が少なく、気がつけば兵庫県まであっという間。


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姫路では一風かわったおそばを頂きました…「えきそば」という名前で販売されていましたが、実際にはおそばなのか、うどんなのか本当のところは良くわからないまま食べました。太さはおそばに近いですが、色と味はうどん寄り。麺に関してはちょっとふにゃっとした歯応えから、間の抜けた印象が免れないですが、味自体は美味しく、また機会があれば食べたいと思います。

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相生からは「広島行き」の山陽本線。普通列車の旅ではこれまで西限が神戸だったので、「広島」の文字を目にして、とうとうここまで来たか…という思い。

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実は、この日は当初の予定では電車で瀬戸大橋をわたり高松入りする予定でした。しかし公式ガイドブックを良く見ると、岡山県側の沿岸にある宇野にも1点だけ作品が展示されているとのこと。そしてそれが淀川テクニックの作品であると知った私は、この日は宇野まで列車でゆきそこで作品を見てからフェリーで高松入りすることにしました。

車中で夕暮れを向かえ、岡山についたのは夕方6時頃。ここからは宇野線でその終点の宇野へ。オレンジとグリーンの車体は、かつては首都圏でも目にしていた配色で、どこか懐かしい感じ。

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宇野には7時頃に到着。終点の駅らしく頭端式のホーム。駅舎はなんとなくハイカラなムードです。駅の目前にはフェリー乗り場。ここははかつて瀬戸大橋ができるまでは四国への玄関口でした。

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淀川テクニックの作品は、埠頭の一角に展示されていました。このアーティストはもともと淀川で拾ったゴミによる彫刻を発表していたユニットで、コンセプトの面白さだけでなく造形的にも一貫性があって、近年ではその活動の場を海外にも広げています。「宇野のチヌ」は漂着物を使って魚のチヌを表現したもの。さまざまな場所から流れ着いたものどうしのアッサンブラージュは多様なルーツを内包し、それらの来し方を想像させるような作品でした。

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続いて、フェリー乗り場に向かうと、そこに芸術祭の会場のひとつである直島からの船が到着。接岸後、そのなかからはたくさんの人が降りてきました。乗客の中には上陸の瞬間をカメラに収めようとする人も多く、一斉にフラッシュがたかれていました。その人の群れからは祝祭を経験した人たちの熱気と喜びがまだ熱く残っているように感じました。その背後には「回送」と表示されたバスが数台。1日の役目を終えての帰還でしょうか。この夜は3連休の最終日、休日を島で過ごした人々はここから宇野線で岡山まで出て、おそらくそこから新幹線などで帰るのでしょう。

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ターミナルでは、ここのスタッフ(?)と見られる猫さんと出会いました。

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そして私は高松行きのフェリーに乗船。真っ暗な屋上のデッキのベンチに座り、潮風に髪を乱しつつ、フェリーターミナルで買ったビールを開けます。暗い海に浮かぶ島影、そして盛んに往来する船。夜空を見上げれば星が輝き、なんて幸せなのだろうと涙が出てきてしまいました。途中からデッキにやってきたカップルが暗がりをいいことに抱き合って熱烈にキスをし始めたときはちょっとムッとしたけど、でも自分が同じシチュエーションだったら絶対同じことするよ!うんうん。

高松には1時間ほどで到着。10分ほど歩いて、駅の近くにあるビジネスホテルにチェックイン。おなかが減っていたのでうどんを食べられそうな場所を探しますが、9時を過ぎていたこともあり、うどん屋さんの多くはすでに閉店。居酒屋さんに入り、じゃこ天と「ぶっかけ」をオーダー。自宅を出てから約16時間…この一杯は美味しかったです。

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この日利用した「鉄道の日記念きっぷ」はJRの普通列車全線乗り放題が3回分で9,000円というもの。1回あたり3,000円という計算になります。自宅最寄駅から宇野までは新幹線利用だと17,000円程ですからかなりの節約に。ホテルは1泊3,980円のプランを利用しました。
12月1日。

埼玉大学教育学部附属中学校で開催されている「スキマ画廊」を見てきました。

このアートプロジェクトでは、スキマや下駄箱、物かげ…校内にある「ちょっとした場所」に、アーティストの卵たちが作品を展示しています。


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身近な場所に設置された不思議なものを見つけていくうちに、日常の風景までなんとなく新鮮に思えてくるような企画でした。
by paginademaiko | 2010-12-02 19:55 | アート
あいちトリエンナーレからの帰路、金山に移動したのは、その駅前にある名古屋ボストン美術館「ザ・風景 変貌する現代の眼」を見るため。

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手には青い風船。トリエンナーレの七ツ寺スタジオの作品を訪問した際に渡されたものです。


これは現代のアメリカのアーティストによる、風景画の展覧会。非常に良い内容でした。現代的でありながら、洗練された美しい作品が多く展示されていて、絵画のみることの喜びを素直に感じながら鑑賞しました。

そのなかで最も素晴らしかったのはロイ・リキテンスタインの「海の風景」。この作家らしいドットによる絵画ですが、空間の広さと静けさが見事に表現されている美しい作品です。

同館ではひとつ上のフロアで日本人の若手作家によるグループ展「時の遊園地」も開催されていました。こちらも平面作品による展覧会。ほんの1時間ほど前にあいちトリエンナーレの会場で見た川見俊の絵画もありました。「ザ・風景」の迫力にはかなわないですが、しかし、こちらの内容もなかなか良かったです。

15時をまわったところで、そろそろ帰京。JR金山駅から東海道線に乗り、18きっぷをつかって、ひたすら東へ向かいます。




途中、名古屋と東京のちょうど中間くらいにある静岡で、夕飯を取るため改札の外へ。駅ビル内の「魚がし寿司」で近海ものの握りをビールとともにいただきました。名古屋滞在中はほとんど「食」に時間とお金をかけていなかったので、アートにささげた2日間をゆっくりと回顧しながら頂く食事はまた格別の美味しさでした。

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その後は19:30発東京行きの373系で帰京しました。

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東京に着く頃には青い風船もいくばくか小さくなり、浮力もなくなり…少し寂しい感じがしました。それはまるで去り行く夏の如く。
あいちトリエンナーレ、訪問2日目の予定は下記のとおり。

1.愛知県立美術館
2.七ツ寺共同スタジオ
3.納屋橋会場
4.もし時間に余裕があれば、前日訪問した長者町会場のうちまだ見きれていない作品

とはいえこの日確保してある時間は4時間ほど。そもそもが無謀なプランといえます…。各会場が早くとも10時オープンというのが、忙しい旅人にとっては少し不満。朝7時くらいから開けてくれるとありがたいのですが。

愛知県芸術センターの中にある愛知県立美術館の展示などを見て、その建物を出たのは11:45頃。そこで見つけたのは…草間彌生デザインの「プリウス」乗り場です。この乗り物は会期中愛知県芸術センターと長者町会場の間を運行しており、予約をすれば無料で乗ることが出来ます。

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ここで私は、無謀にも、空席のある13:15の回を予約。

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ということは、ここに90分後には戻ってこなければならない…ということでダッシュで七ツ寺共同スタジオと納屋橋会場へ向かいました。

すぐそばにある栄駅から地下鉄を乗り継ぎ、12:10、大須観音駅で下車。出来る限りの早足で七つ寺スタジオに向かいます。

大須観音の前を通り過ぎ…5分ほどで到着。

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この日ここで見ることが出来たのは三田村光土里の作品。中は深海のような青色の空間。ステージのような場所には小さな小屋があり、その中には占い師のような人がいました。指示通りに行動すると、青い風船をひとつ渡されました。

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(この風船は、電線などのないひろいところで解き放つように指示されましたが、名古屋ではそのような場所は見つからず、結局18きっぷの帰路をともにすることに…)

そして次の会場へ。風船をもって、観光客とは明らかに異なる早送りのようなスピードで大須観音のアーケードを通り抜けます。水分補給に努めながら歩きましたが、、この日も相当な暑さで「あー倒れそう…」と何度思ったことか…。

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12:40。納屋橋会場に到着。

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ただし残念ながらこの会場ではあまり印象に残る作品がありませんでした。もっとも、こちらの心にあまり余裕が無かったことも一因かもしれませんが…。最も迫力がありそうなスン・ユァン+ポン・ユウの作品がメンテナンス中なのはやはり痛かった。ヤン・フードンの作品も週末のみの上映ということで見られず。

この会場を出たのは13時頃。あと15分でプリウス乗り場に戻れるの…か?と実はこの時点ではかなり怪しかったのですが、大通りに出たところでバス停を発見し、しかもそこにバスがいいタイミングで到着!冷房の聞いた車内で生気を取り戻しつつ、プリウス乗り場に13:13に到着。


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草間プリウスは全部で3種類のデザインがありますが、この時私が乗ったのは白地に黒の水玉のもの。プリウスに乗るのは初めてです。走り出すと、その静かさと乗り心地のよさに驚きました。

長者町会場には数分で到着。都合のよいことに、長者町会場で見残していた作品はそのすぐにありました。まずは「中愛株式会社」の地下で3名の作家によるアニメーションと戸井田雄のインスタレーションを見て、その向かいにある「名古屋センタービル」の川見俊の作品を見ることができました。

最後の作品を見て、プリウス乗り場の前を通りかかったら、次の便も空席があるとのこと。つきましては今度は赤地に黄緑の水玉のプリウスで、ふたたび栄の愛知県芸術センターまで向かいました。

その後は、ホテルでスーツケースをピックアップし、18きっぷでの帰路に就きました。

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まず栄から地下鉄で金山駅まで。しかしそこでJR線に乗る前に、もう1箇所だけ立ち寄りたい場所がありました。

(つづく)
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