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年明けの連休に、鉄道博物館に行ってきました。
実はこちらには初めての訪問。

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最寄のJRの駅の大宮までは、この日がリミットととなる青春18きっぷを使って…元が取れないのに乗るのはなんとなく悔しさが残る貧乏性なわたし。

大宮からはは鉄道博物館までは歩くこともできますが、この日は「鉄道博物館駅」のあるニューシャトルを利用しました。ニューシャトルは新幹線の線路に沿って伊奈町まで伸びる路線で、高校生のときには伊奈町にある高校から大宮に出るのによく使っていました。当時と変わらず「せまい、おそい、ゆれる」。東京で大江戸線に乗ると「せまいな…」と思いますが、これはその比ではありません。さらに、空調らしき機械が車内空間の3割くらいを占めているような…。でも思い出深い乗り物。


そういえば高校生のとき羽貫駅のホームで告白されたなあ…。
そのときに目の前を東北新幹線が通ってパンタグラフから青い火花がはじけていたのを覚えています…結局はお断りしちゃったけど、あの子はいまごろどうしているのかな?


とか思う間もなく発車数分で「鉄道博物館駅」に到着。この駅は以前は大成という名前でしたが、まあ、立派になって…。

駅は博物館とほぼ一体化しており、アクセス至便。
建物に入ると、エントランスには企画展「御料車~知られざる美術品」のバナーが提げられていました。実は、てっぱくを訪問した動機のひとつがこれ。明治期の工芸家たちの仕事がみられる貴重な機会ということで。

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この日は幸運なことに鉄道博物館の方とお約束することができ、館内を案内していただきました。次々に繰り出されるマニアックな情報はどれも「さすが~」という感じで、あっという間の1時間でした。


その後はひとりで3時間ほどかけて博物館を満喫。


エスカレーターを上がってすぐのところには山本容子さんによるステンドグラス。これは外側からは、高崎線などの車窓から見ることができます。

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2階フロアーの中央部分は1階からの吹き抜け。
母校「埼玉県立伊奈学園総合高等学校」の校舎も同じようなつくりで、勝手に親近感を覚えます。

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1階部分の中央には転車台があり、その上にはC57が展示されています。
この転車台は一日のうち何度か回転させる実演が行われており、私はそれを2階から見るてみました。汽笛も実際に鳴らされていました。聞いてみると、なるほど、笛というだけあり管楽器のような音。

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2階では70メートルあまりの壁面に沿って、日本における鉄道の歴史についての、クロノロジカルな展示が展開していました。


壁には年表、ケース内には実際に使われていたものが展示されていましたが、私がとりわけ興味を覚えたのは、チラシやポスターなどの広告媒体。フォントやデザインなどに時代を感じます。また、ヘッドマークは列車からはずされた状態を眼にすると、「こんなに大きかったんだ」という印象を持たずにはいられませんでした。


同フロアのコレクション・ギャラリーは、ギャラリーといっても実用的な棚に資料が置かれているだけで、照明や詳細なキャプションはなし。「見せる収蔵庫」といった雰囲気でした。近現代の資料を扱う博物館ならではの取り組みです。


そして、スペシャルギャラリーでの企画展「御料車」へ。

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御料車については、子どもの頃に愛知の明治村で見たものが記憶に残っていたのですが、数年前にその内装を担当した漆芸家・六角紫水の展覧会を見たことで明治期の工芸の指導者たちとの関係の深さを知り、興味を持っていたところでした。

今回の展覧会では歴代の車両の内装について、豊富な資料展示が行われていました。その意匠には絶えず「日本と西洋」そして「伝統とモダニズム」の間の揺らぎが見られますが、当時一流の職人たちによってモノとして仕上げられることによって、それ自体が独自の様式美に昇華しているような印象を受けました。

なお、制作および監修者として関わった美術・工芸家としては六角紫水のほか、高村光雲、岡田三郎介の名が挙げられます。

展示室を出ると、階下からのいい匂いに、つい腹時計。
1階にある「日本食堂」で懐かしい感じのハヤシライスを食べました。
ハヤシライスは確かに美味しかったけれど、休日ということもありお店は混雑。家族づれも多く、ひとりでテーブルで食べるのはなんとなく微妙な居心地…。

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そこで思ったのは…。館内には食事を出来る店がいくつかあり、駅弁やさんもあるけれど、駅そばファンの私としてはのれんの向こうからダシの匂いが漂ってくるような立ち食い蕎麦屋さんもぜひ欲しいな、と。立ち食いなら、お客さんの回転もいいだろうし、一人での訪問でも気軽に立ち寄れる。お店の外観は勿論昭和風で。いかがでしょうか?

エントランスにある彫刻は流政之さんの彫刻「ぽっぽや」。流さんの作品は「思わぬところで出会う」確立が高い。というか「偶然に見かけた」以外の出会いは無いかも知れない。


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続いて、1階に展示されている車両のひとつひとつを鑑賞。

インディゴブルーの車体にあしらわれた楕円形と円形の小窓は、エレガンスかつ客船を思わせるデザインです。

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0系新幹線のための展示スペースでは、警笛、車内放送やジングルを聴くことができる「音のツアー」を体験しました。

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改札やホームが再現されているコーナーもあります。

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クハ481の前では、制帽をかぶらせてくれるというので、勿論志願!家族連れにまぎれて参加しました。私は一人で行ったので、係員さんが写真を撮ってくれました。

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線路と同じレベルに立つことができるのも、博物館ならでは。

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車両によっては内部にマネキンが座っているものもありますが、中には、なんとなくモジュロール兄弟に似た乗客たちも…。


このほか鉄道の夜明けとも言える明治期の車両も展示されていました。ただ、展示室全体の照明がやや暗めということもあり、写真を撮りたい人にはややスキルが要求される空間。

やはりこの博物館は実際にその場で「体感」するということに尽きるのかもしれません。
by paginademaiko | 2011-02-23 12:05 | アート
もうだいぶ前になりますが、1月5日に国立新美術館で「DOMANI 明日展 2010」を見てきました。今年初めての展覧会訪問でした。

今回は神戸智行さんの作品が出ているということもあり、特に注目…とかいいつつ展覧会を訪問したのはオープンより約1ヵ月後(すみません)。

この展覧会は、文化庁主催の在外研修をおさめた作家たちによる成果の発表の場とされているものですが、12名の作家の留学先や年度はさまざまです。

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展示は、三好耕三氏の写真から。暗く、塊量感のある表現。「ROOTS」シリーズは、極太の根菜が被写体となっています。そこに漂う濃厚なエロスは、つい甲斐庄楠音の「裸婦」を思いさせました。

鉄や木を使った古郷秀一氏の彫刻は、「“型どられたもの”あるいは”意図した形”」と「”型にはまらないもの”そして”意図していない形”」が拮抗する作品。

遠山香苗さんのペインティングは白い背景の中にズッと引かれた極太・極短のストロークに、つい李禹煥の作品を想起しつつも…複数のストローク自体はそれぞれが水平・垂直ではなく多様な角度を備えており、そしてその色はHARIBOのグミを思わせるポップなもの。遠くから見るとそれはまるで靴に付けられたビジューのようだと思いました。

陶器でセルフポートレートとして頭像を作る近藤高弘氏の作品は、その数おびただしく、かなり不気味。その表面はそれぞれ赤絵とか染付けとか様々な様式で覆われているけれど、その美しさと眺めようとするとデスマスクみたいな顔面に近づかなければならずどうもイラッとします。こちらの度量が試されるような作品です。

流麻ニ果さんはペインティングとインスタレーションが出ていました…が、白系のハギレと赤い糸のステッチによって構成されたインスタレーションは先日金沢21世紀美術館で見たモンデンエミコさんの作品と表現のうえでかなり近いものがあり、ほとんどデジャヴ、混乱しました。ふー。

深井聡一郎氏の彫刻で会場を折り返すと、鈴木涼子さんのスペース。「カワイイ」をテーマにした「ANIKORA」(アニコラ)シリーズは、全然カワイクなかった!アニメ風のコスプレをした、ときにポルノ趣味な写真はその巨大さによって下卑さが増幅されている感じ。顔面に臓物を乗せた「Food Body」のほうが造形的にはまだ見れた…この作品について作家は「他者の犠牲のうえに成り立つ“食べる”という行為を再考するために」制作したと語っていますが、ANIKORAシリーズの隣に展示されていることを考えると、「女体盛り」あたりの日本特有(とされる)セクシュアルな文脈がそこにはあるように思いました。


そしていよいよ…神戸智行さんのスペース。スケールの大きな作品が2点展示されていました。うち「陽のあたる場所」は水面を真上から捉え、広がる水草の円い葉の群れをを描いた作品。淡い色彩で覆われていいますが、葉のひとつひとつ、ひとつとして同じ色は無くこの作家の色作りへの思いが感じられます。葉の上や水面、水中は無数の生き物たちがちりばめられており、その装飾的な世界にリアリティーを添えていました。植物や生き物は細い輪郭線が縁取られ、その太くは無いですが強さを備えた線からは、ふとミッドセンチュリーの、例えば宇野亜喜良などのイラストレーションを思い出させました。

しばらくこの作品のまえにえたたずんでいると、それはまるで群島を上空から見ているようにも思えてきました。そして水の中を進む生き物は島と島をつなぐ乗り物…たとえば魚はフェリー、ザリガニは高速船。

もう1点の作品「ハナガスミ」は横長のパネルに桜花が表現された作品。パネルは壁に数段にわたって互い違いに掛けられ、作品全体を、眼を細めて見てみるとそれは「すやり霞」のような形を構成しているように思いました。神戸さんの作品では、最近たまに床にまで展開し、そこに立体的なものを配するインスタレーション的なものが見られますが、この作品でもそのような試みが行われていました。私はまだこれに慣れることができません。というか、あまり好きではないのかもしれません。私はただただ、彼の「画」が好きなので。

続く展示室に現れたアニメーションは、近藤聡乃さんによるもの。近藤さんの作品を見るのは初めてだったので、つい鑑賞経験のある作家のなかから束芋さんを思い出してしまったのですが、6分弱の「てんとうむしのおとむらい」を2回見てみると、その独特の魅力がじんわりと感じられてきました。画面のなかで白い裸体や無愛想な表情をさらす幼女(少女?)たちの姿には夢物語のような非現実感を感じつつも、同時にそこからは座敷わらしとかキジムナーとか、土臭い、伝承めいたものへの興味を察しました。


重く沈鬱な、それでいて宝石のような輝きを備えた写真は赤崎みまさんの作品。写されているのは果物、花、西洋の情景など。暗さのなかに浮かび上がる被写体は、まるでそれ自体が発光しているように見えます。ジョルジュ・ド・ラトゥールはその作品のなかで、光源を聖人の近くに配することによって、まるで聖人そのものが発光しているような情景を生み出していますが、この作品でも光によって聖性が表現されているような印象を受けました。その主役が人物ではなく点については、描くもの全てに聖性をみとめていた小倉遊亀のまなざしと重なる部分も。

今回のDomaniは会場構成がいい。展示室を接しあう作品は、ケンカをしない程度に差異と共通点をもちつつ、それぞれの印象を引き立てあっているという感じがします。たとえば神戸さんの「明」「ゆらぎ」から近藤聡子さんの「暗」「うごめき」、そしてそれに続く赤崎さんの「深」「艶」など。(当然、中には作品によってはこれが難しくなっているスペースもありますが)

会場の終盤では山口紀子さんの大掛かりなインスタレーションを経て、最後に町田久美さんのペインティング。モノクロを基本としながら、簡潔なヴィジュアルによる不可解なストーリを内包する町田さんの作品は、会場冒頭の三好さんのマッシブなモノクロ写真と、うまい具合に双璧感を出していました。


展覧会を見終わったあとは、いつも新美術館の帰りに寄っているShonandai MY Gallery へ。でもスケジュールをよく確認しないで訪問したのでこの日は休廊でした。

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そのままミッドタウン方面へ歩いていくと、きれいなイルミネーション。
中でも、木の裾から上に向かって配された青い電飾は、まるでシャンパングラスの中の泡のようでした。
by paginademaiko | 2011-02-21 15:52 | アート
先日、仕事帰りの大船駅のホームでこのようなサインを発見。


「列車の写真を撮影をされる方へ
三脚・脚立のご使用はおやめください」


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しかしそこに添えられた、「寝台列車」を表す「流星マーク」はいったいどのような意味が?


夜に列車の写真を撮る人はそんなに多くないと思うのだが…あるいは明け方の夜行列車を迎え撃つ人が多いのか…。


おそらく実際はこのサインの作成者の単なる趣味かと。



ちなみに私のPCは「りゅうせい」を変換すると「劉生」が最初に出てきます。「劉生マーク」…どんなマークだろう。
神奈川県内で特別に運行された湘南色113系を横浜駅で見て、湘南新宿ラインで渋谷まで。遅めの昼食を食べてから地下鉄で向かった先は国立新美術館の「文化庁メディア芸術祭」です。

文化庁メディア芸術祭」は毎年この時期に行われるメディアアートの祭典。会期は2週間たらずという短さ、しかも入場無料なので、毎年多くの人でにぎわっています。

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4つ部門-「アート部門」「マンガ部門」「アニメーション部門」「エンターテイメント部門」のうち、やはり気になるのは「アート部門」。なかでも最も興味深かったのはgoogle earth のストリートビューの映像を編集した映像作品である田村友一郎の「NIGHT LESS」と、車窓に流れる景色をそのままピアノ音楽へと変換する装置、Peter Kneesら3名のアーティストによる「Sound/Tracks」でした。いずれも映像の成立そのものに関しては、カメラワークの不在、つまり映像はカメラが搭載されている乗り物の動きに委ねられているというよう状態であり、撮影者の意図というのものがかなり希薄なように見えますが(とくにgoogleについてはほぼ機械的に通りを撮影している)、その分「撮影後」のクリエイティビティというものが非常に光っている作品といえます。なお後者についてはオーストリア国鉄の車両や駅が登場するので、鉄道好きにもオススメの作品。また、琳派の絵図を引用した猪子寿之のアニメーション「百年海図巻」は、日本美術の引用ということでひととおり見てみましたが、温暖化に警鐘をならすというメッセージ性は明確でありながら、やや単調なきらいが…もう少し工夫がほしかったです。


新美術館の会場に関しての率直な感想としては、内容、会場構成ともに去年のほうが良かったような気が。今年は展示構成(仮設壁の立て方とか)や動線がふつうの美術系の展覧会みたいで、昨年のオープンな感じのほうがお祭りらしい雰囲気が出ていた気がしました。
でも毎年恒例のイベントとして来年以降もひきつづき行きたいと思います。

閉館時刻が迫ってしまって最後のほうはあまり見れませんでしたが、ミッドタウンのサテライト会場が引き続きオープンしているとのことなので、6時以降はそちらへ移動。

途中、Shonandai MY Galleryで早川重章の個展を見て…。

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ミッドタウンには「ソーシャル・メディア・ラウンジ」というのが設置されていて、ここで行われるトークショーやシンポジウムの様子がUsutraemで配信される仕組みになっていました。

なおこちらに私が訪問した際にはスプツニ子!さんのトークショーが行われていました。
この方の作品は、先日、東京都現代美術館の「トランスフォーメーション」で初めて見て、非常にインパクトを受けたのですが、その作品は今回のメディア芸術祭にもエントリーしていました。その映像作品は適度なブラックさとテンポのよさが魅力的で、実際の小道具の安っぽさとスチール写真の完成度の高さのギャップが気になりつつも、今後の作品が楽しみな作家さんです。


ミッドタウンまで来て思い出したのが、ここの「デザインハブ」で開催中の「Romance」。日本を代表するクリエイター、デザイナー80名あまりがそれぞれ「Romance」をテーマに、同じ音源にあわせて作った30秒の映像作品による展覧会です。ということで、こちらにも訪問。

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ミッドタウンのショッピングエリアからは少し離れているということもあってか、エントランスは閑散とした様子。しかし、その奥にはまるでキャットウォークのような白いステージにモニターが整然と並べられたカッコイイ空間が広がっていました。

そのモニターで上映されていたのは、「Romance」というテーマにふさわしい、心ときめくような映像の数々。それぞれが30秒という長さがいい。ガーリーでポップな音楽も耳に心地よく、商業の世界で活躍するデザイナーさんたちならではの、「好感度高い」映像を堪能することができました。

ミッドタウンはなにかと見所があるので、よく足を運びます。この時季にはスケートリンクも設置されています。館内には大きなフラワー・アレンジメントが各所にあって、今日、そのうちひとつでは桜がどっさりと活けられ、春の気配を先取りすることができました。

デザインハブを出たところで、のどが渇いていたので、地下のカフェでハイネケンを一杯。
外に出れば雨。湿り気のある空気はどこか春めいているような感じ。雨が降るごとに、少しずつ暖かくなってきてくれるとよいのだけれど。
by paginademaiko | 2011-02-06 23:23 | アート
お昼過ぎまで家でのんびりしていた日曜日。
「文化庁メディア芸術祭」を見る予定でしたが、その前に、ふと思い立ち横浜駅まで。


…というのは、湘南色の113系が走るという情報を耳していたため。


ホームで待っていると…やってきました、オレンジと緑色の所謂「湘南色」の車両。
向かいのホームには撮り鉄さんたちがたくさん。

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むりやり一緒に写真に納まってみました。

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ホームでは、この列車を目的にきていた(あるいはこの列車に乗ってきた)顔なじみの人々に遭遇…。

その後、「文化庁メディア芸術祭」を訪問するため湘南新宿ラインに乗車、東京へと向かいました。
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